地域の栄枯盛衰を見守ってきた両国橋西側のお蕎麦屋さん
両国橋西側の、靖国通りを挟んで旧跡両国広小路記念碑の前にある「柳ばし長寿庵」さん。一昨年11月にリニューアルオープンしました。実は昨年4月に特派員になってずっと気になっていました。過去のインターネットのグルメサイトなどをみますと、メインのお蕎麦に、オムライスなどの洋食や中華そばを加えた多彩なメニューが評判だったためです。どう変わったのか気になって同5月にお邪魔したのですが、書きそびれて今回が2度目の訪問です。この日は前の通りにお巡りさんがいらっしゃって監視していました。後で立て看板を見ると、1か月ほど前に自転車と歩行者の接触事故があったようです。
手打ちにこだわり
店内に入るとこじんまりとしていて、蕎麦屋さんからイメージする広さの半分ほどでしょうか?小上りもありません。メニューを見るとお蕎麦関連のみ。「以前は洋食などもあったと思いますが・・・」とお伺うと、「リニューアルを機に止めました」とのこと。蕎麦粉は勿論国産。前回と同様に今回もミニのカツ丼と冷たいモリのセットを注文しました。前回は980円でしたが、今回は1,100円。ここでも値上げの波が押し寄せていました。リニューアルを機に徹底して手打ちにこだわっているといいます。ほどなくテーブルに。まずお蕎麦から薬味をつけないで頂く。鼻からお蕎麦の香りが抜けていきました。蕎麦湯もおいしく頂きました。
歴史を伺うと、明治42年にこの地で創業したそうです。元々は元禄年間(1688~1704年)に京橋で開いた蕎麦屋の一門。関東でも有数の店舗数を誇る長寿庵集団で、現在四つの会派があるうち、柳ばし長寿庵さんはその一つの「実成会」を率います。場所柄、隣接する花街の柳橋や浜町などとともに栄えましたが、それも昔の話し。洋食などを加えたメニューの多角化は客層の変化に対応したものだったのでしょうか?
午前11時の開店から5分ほど遅れて入りましたが、既にお客さんが一人、お蕎麦を頂いている間にも、会計をしている間ににもお客さんがいらっしゃって、地元に愛されていることを実感した次第です。