滅紫

溢れる悪の魅力ー仁左衛門一世一代の「亀山の仇討ち」ー二月歌舞伎座

今日は節分。歌舞伎座のロビーには節分のお豆が並んでいます。二部の演目にも「三人吉三」が並び季節感満載。

三部は「霊験亀山鉾」通称「亀山の仇討」の藤田水右衛門とウリ二つの町人・八郎兵衛を仁左衛門さんが一世一代で演じ納めるのが話題です。

「油地獄」の与兵衛、「義経千本桜」の知盛、「絵本合法衢」の大学之助と立場の太平次と仁左衛門さんの一世一代の演じ納めが続いていますが、いよいよ「亀山の仇討」となりました。

今回が歌舞伎座での初めての上演とあってあまりおなじみのない方もいらっしゃるかと思いますが、元禄時代に実際にあった敵討ちを題材に仇の「返り討ち」を描いた南北の作品です。なんと言っても見所は敵役・藤田水右衛門と八郎兵衛の冷血ぶりと殺しの場面の美しさです。火葬場での本水の中での殺しは凄惨そのものですが、ビジュアル的には何とも美しく「歌舞伎の様式美」恐るべし!舞台に釘付けです。「殺しの美学」というのでしょうか、何ともかっこいい悪人です。

仁左衛門さんがインタビューで「演じ終わって自分の中で反芻するとお役に対する未練が出てくる。そこで演じてしまうと駄目だと思う」と語っています。その俳優さんの当たり役を見られなくなるのは淋しいですが、次にどんな方がどんな新しい解釈で見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。

一部 11時開演「三人吉三巴白浪」

二部 14時30分「女車引」「船弁慶」富十郎さんの十三回忌追善公演で鷹之資さんが演じます

三部 17時30分「霊験亀山鉾」

二月歌舞伎座は25日千穐楽(10日、20日休演)

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~17時)

 溢れる悪の魅力ー仁左衛門一世一代の「亀山の仇討ち」ー二月歌舞伎座