株式会社彦晴

『江戸名所図会』から見えてくる
中央区 伊雜(いそべ)大神宮編

「北八丁堀、松屋橋より一町ばかり、艮の方、塗師町代地町屋の間にあり。(當社ある故に、此所を字して、磯邊横丁と呼べり。)土俗磯邊大神宮といふ。伊雜の御神は、天照皇太神宮の別宮にして、祭神は伊佐波登美命と玉柱屋姫命二座なり、寛永元年甲子、伊勢長官出口市正某、伊雜宮より移しまゐらせ、通三丁目に宮社を営めり。(今神明長屋と唱ふるは則是成。)同十年葵酉今の地に移し奉るといへり、例祭は六月廿六日に修行す。」

「伊雜大神宮」『江戸名所図会』国立国会図書館デジタルコレクションより

「天祖神社」

「天祖神社」 『江戸名所図会』から見えてくる
中央区 伊雜(いそべ)大神宮編

伊雜大神宮は現在、天祖神社に改称していました。                

境内石碑による伊雜大神宮縁起によると「寛永拾癸酉年六月下旬公儀ヨリ社地御入用ノ趣キ寺社奉行ヨリ被仰渡八丁堀松屋町ヲ代地トシテ社地参百坪賜リ舊社ヲ取崩シ松屋町ヘ再建シテ御遷宮申上候」とある。しかしどう見ても300坪も敷地はないようでした。また絵図では伊雜大神宮の両隣りは店舗でたくさんの人々で賑わっている景色が描かれていますが、現在は少し静かなところで、ボーと歩いていると天祖神社も通り過ぎてしまうかもしれません。

扁額ライトアップ!

扁額ライトアップ! 『江戸名所図会』から見えてくる
中央区 伊雜(いそべ)大神宮編

初めて訪れる方は少しびっくりするかもしれませんが、扁額の金色と天祖神社の金色文字が光っているように感じます。実は鳥居を過ぎた左側の社務所脇からライトアップされています。