2023 ハナモモの艶やかな彩り
浜離宮恩賜庭園の花木園のハナモモが季節に彩りを添えています。モモは中国原産のバラ科サクラ属の落葉中高木。 ハナモモは花の鑑賞を目的として改良された園芸種の総称で、実は小さく食用には適しません。桜(ソメイヨシノ)に前後して開花の最盛期を迎え、艶やかなピンクや赤、白、複色の花が春を彩ります。 桃は古来、中国では災いを除き、福を招くとされ、「古事記」にもイザナギが黄泉の国から逃げて帰るときに、悪鬼に桃を投げつけて退散させたと記され、古から親しまれ、馴染み深い植物です。 3月3日の上巳の節句行事に端を発する、今日、女児の健やかな成長と幸せを願う桃の節句「ひな(雛)祭り」には、ひな人形、桃の花を飾り、白酒で祝います。 ハナモモの樹形には、直立性、箒立ち性、枝垂れ性、矮性があり、植栽場所に応じて選ばれ、庭木·公園木の他、盆栽·切り枝に利用されます。 主な品種として、ひな祭りの切り枝として人気のピンクの八重の「矢口」、箒立ち性の大輪花の「照手紅(白·桃)」、純白色八重の「寒白桃」、赤·白·絞り·斑の花色が入り混じる「源平(桃)」、細長い花弁が重なり菊似の「菊桃」などがあります。