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「フジ」はマメ科の蔓性落葉低木。長く伸びた枝に、芳香性のある、多数の蝶形花を付け、花房が垂れ下がるのが特徴です。　　　春から夏にかけ、2つの季節にまたがって咲くため、「二季草(ﾌﾀｷｸﾞｻ)」の異名を持ち、風になびいて揺れる様を波に譬えて「藤波」と表現され、万葉集にも数多く詠まれています。　　　　　　　　　日本固有種には、茎が右巻き(上から見て時計回り)で、大阪の野田が名所だったのでノダフジとも呼ばれる「フジ」と、左巻き(上から見て逆時計回り)のヤマフジがあり、一般には両種を「フジ」と総称しているようです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　浜離宮恩賜庭園内には、延遼館跡、潮入の池 小の字島/お伝い橋脇などに藤棚が設えられ、大半がノダフジとされますが、高貴な紫色の蝶形花を房状に垂れ下げた花序が咲き揃い始めています。　　　　お伝い橋北端の藤棚には、一般に見かける所謂 "フジ" とは花形の違う、ノダフジ系の「八重黒龍藤」(左上画像)が植栽されています。黒龍藤の突然変異とされ、雄しべの弁化が著しく、八重咲きの特異な品種で、花房が密で、ころころとしたブドウ様の花を付けています。