レトロビルを探索する街歩き
中央区には古い建物が今なお存在しています。
今回はJR神田駅から人形町を経由して、馬喰町駅まで歩いて、レトロなビル
を探索してみました。約5キロ、のんびりと写真を撮りながら2時間半くらい
のコースです。一部、中央区以外の建物もありますが、参考にしてください。
①山梨中央銀行(東京支店) 竣工: 1929年(昭和4)
我が国9番目の国立銀行「第十国立銀行」が前身。
当初はファサード(正面)にイオニア式オーダーの列柱などが見られたと
のことだが、戦災などをくぐりぬけ現在の簡素なデザインとなる。
昭和初期の銀行建築の典型的なスタイル。
(中央区以外)
②丸石ビルディング 竣工: 1931年(昭和6年)
ロマネスク様式が特徴的。平成14年3月、国の登録文化財に登録。
姉妹会社の丸石商会(後の丸石自転車)と太洋自動車(ゼネラル・モーターズ
の販売代理店)のショールームがあった。レコード会社日本ビクターの
録音スタジオが置かれていたこともある。
獅子像の口から雨水を川に向かって吐き出していたこともある。
現在は、1階がペルシャ絨毯専門の会社のショールームになっている。
(中央区以外)
③常盤小学校 竣工: 1929年(昭和4年)
江戸城の正門である常盤橋御門にちなんでこの名前がつけられた。
関東大震災の被害を受けて、その後に鉄筋コンクリートづくりの校舎で再建。
東京都選定歴史的建造物、経済産業省近代化産業遺産に指定されている。
敷地内には、第二次世界大戦時の防空壕が残っていて、現在は防災訓練などに
使用されている。卒業生にイラストレーターの水森亜土さんがいる。
④近三ビルディング 竣工: 1931年(昭和6年)
村野藤吾が渡辺節建築事務所から独立して最初に設計した建物。
黒褐色のタイルで仕上げられた外壁と、整然と配置された縦長の
ガラス窓が外観の特徴。1999年に東京都選定歴史的建造物
⑤ハリオグラスビル 竣工: 1932年(昭和7年)
旧川崎財閥系の「川崎貯蓄銀行富沢町支店」の建物をそのまま使用。
国登録有形文化財 コリント式のオーダー(柱)が特徴。
設計は、明治建築界の三大巨匠の一人・妻木頼黄に師事した矢部又吉。
⑥よし梅 芳町亭 1927年(昭和2年)
2002年(平成14年)、国の登録有形文化財(建造物)に登録された
間口5間(約9メートル)・奥行4間半(約8メートル)ほどある木造瓦ぶきの2階建て。
建物の名称は、昭和2年に日本料理(江戸料理)店を創業した初代(高野うめ)が
自身の名と住んでいた当時の町名から「よし梅」を店名とし、二代目が当該建物を
取得・改修して現在に至っている。
⑦玉置文治郎ビル 竣工: 昭和4年(1929年)
鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建の薬品問屋店舗兼住宅。
震災復興商業ビルのひとつで、筋面タイルやテラコッタを用い、幾何学形を
装飾に取り込んだ外観は、昭和初期における建築意匠の特徴。
設計は辰野金吾のもとで学んだ森山松之助。