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笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

こんにちは。おめでたいこと・ありがたいことが大好きな特派員RIEdelです。
落語から講談、漫談、浪曲まで幅広い伝統芸能を楽しめる演芸場「お江戸日本橋亭」。そのお江戸日本橋亭を運営している永谷商事(ながたにしょうじ)株式会社の廣谷(ひろや)様に、お江戸日本橋亭の歴史とその特徴を伺いました。

不動産業の一環として始まった演芸場

不動産業の一環として始まった演芸場 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

――御社では、お江戸日本橋亭をはじめいくつかの演芸場を運営されていますが、そもそもこの事業を始められたきっかけは何だったのでしょうか?
 
永谷商事は不動産業を行っている会社です。昭和39年(1965年)に武蔵野市で高層マンションの分譲を始めたのを皮切りに、昭和40年代には都内各所で100棟近く分譲・賃貸マンションを建て、「永谷と言えばマンション」というイメージが定着しました。

 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

永谷商事株式会社 事業部 編集主任 廣谷孝則さん

当社のマンションは1階部分を店舗や教室などにお貸ししているのですが、ある時、両国武蔵野マンション1階に空きが出て、その後の活用方法を検討していました。そこに当時、当社社長が懇意にしていただいていた演芸評論家の小島貞二さんから「演芸場にしてはどうか」というお話がありました。小島さんにも助言をいただきながら演芸場「お江戸両国亭」をつくったのが、演芸事業の始まりです。それが平成2年のことです。その後、平成4年に新宿永谷ホール(新宿Fu-)、平成8年にはお江戸日本橋亭とお江戸上野広小路亭がオープンしました。

所属団体・一門を超えた、幅広い演者の芸が見られるプログラム

所属団体・一門を超えた、幅広い演者の芸が見られるプログラム 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

――新宿末廣亭や鈴本演芸場、浅草演芸ホール等、都内にはいくつか他の演芸場がありますが、お江戸日本橋亭ならではの特徴をあげるとしたら、何でしょうか?
 

特徴はいくつかありますが、一番目に挙げるとしたら、やはりいろんな協会・団体の出演者が見られることです。例えば今日(5/16)の「お江戸寄席」には6名の方に出演いただきましたが、そのうち柳亭楽ぼうさんと春風亭昇吉さんは落語芸術協会、神田こなぎさんは講談協会、橘家竹蔵さんは落語協会、はやのこのみさんは東京演芸協会、そして三遊亭好楽さんは円楽一門の所属です。日によっては、立川流や日本講談協会の方が入ることもあります。
他の演芸場でも、所属団体を超えた方々が集うプログラムを「企画」としておやりになることはありますが、お江戸日本橋亭の「お江戸寄席」のように毎月やっているのは珍しいと思います。

講釈師自ら案内!「歴史と文化のお散歩ラリー」

講釈師自ら案内!「歴史と文化のお散歩ラリー」 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

――今日の「お江戸寄席」には、平日にもかかわらずお客様がたくさんいらっしゃいました。お客様に喜んでもらう特別な工夫や仕掛けをされているのでしょうか?
 
実はお江戸日本橋亭では「お江戸寄席」と同じ日に、「歴史と文化の散歩ラリー」というイベントを開催しています。こちらは「講釈師と歩く」というキャッチコピーが示す通り、講釈師の名調子を聞きながら日本の歴史や文化に触れるイベントで、多くのお客様からご好評いただいております。講談は歴史上の人物や出来事を題材にしていますので、講釈師さんは当然、それにまつわる歴史に通じています。そしてなんといっても話のプロですから、説明は抜群にうまい。だから歴史や文化に触れるイベントでガイド役をやっていただくのにぴったりなんですね。歴史と文化の散歩ラリーの参加費はお一人3,500円を頂戴していますが、ここには講釈師による案内料の他、お弁当、寄席鑑賞料も含まれています。今日、お江戸寄席にいらっしゃったお客様の何割かは、この散歩ラリーにご参加いただいた方々でした。

演者さんが近い、近すぎる!これぞ「演芸界のライブハウス」

演者さんが近い、近すぎる!これぞ「演芸界のライブハウス」 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

――今日の「お江戸寄席」、仲入り後は一番前の席で堪能させていただきました。舞台と客席がすごく近くて驚きました。
 
演者さんとの距離が近いのも、お江戸日本橋亭の特徴の一つですね。最近の大きな演芸場は、映画館みたいに固定椅子が設置されていて、舞台と客席もちょっと離れていますが、うちの演芸場は小さいかわりに演者さんの芸が間近で見られます。
 

―― 一番前に座ると演者さんとの距離がほんの3m位なんですね。
 

お江戸日本橋亭の入っているビル1F部分はもともと貸店舗だったので、天井がそれほど高くありません。だから舞台も必然的に低くなり、それがお客さんとの距離の近さにもつながっています。落語の時は高座台を置いていますが、新内や義太夫のような邦楽や日舞の催し物の時は高座台も取り払うので、演者さんとの距離がさらに近く感じると思います。
 

―― 演者さんの熱が肌にまで伝わってきそうなライブ感を、より多くの人に体験してもらいたいと私も感じました。今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

午後1時半から4時少し前まで、落語・講談・漫談でたっぷり笑った2時間半。当日2,000円、前売りなら1,500円で聞けるのはかなりお得です。さらに永谷商事さんの「お江戸演芸倶楽部」の会員になれば、年会費5,000円で、お江戸寄席はなんと5回も無料招待になるんだとか(え?すぐに元がとれちゃうじゃん!) 伝統芸能をお得に楽しみたい方は、要チェックですぞ!

アクセス情報:お江戸日本橋亭

アクセス情報:お江戸日本橋亭 笑う門には福きたる~令和初笑いはお江戸日本橋亭で~(後編)

■お江戸日本橋亭
http://www.ntgp.co.jp/engei/nihonbasi/

〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-1-6 日本橋永谷ビル1階
東京メトロ三越前駅 A10出口より徒歩2分
JR総武線 新日本橋駅 出口4より徒歩3分
JR山手線 神田駅より徒歩7分