江戸に学ぶエコでエシカルな暮らし方
日本橋室町を歩いていたら、YUITOの裏で素敵なショーウインドーを見つけた。その名も「結to.エコ粋見聞帖」。江戸の人々の暮らしの中で、地球に優しいアイデアが溢れているものとして、「着物」「団扇」「打水」「風鈴」が紹介されていた。粋な江戸っ子たちの知恵と心を学ぶことができる、日本橋らしい展示空間がそこにあった。
【着物】江戸時代の庶民は、反物から着物を仕立てることは稀で、殆どは古着屋で着物を買いました。端切れは端切れ買いに、さらに灰にして、灰買いが肥料用に買っていきました。また、着物自体も直線生地の縫い合わせで、無駄なく使うことができ、とても優れたエシカルな知恵が詰まった衣類なのです。
【団扇】日本橋堀江町(現在名小舟町)は、江戸の昔より団扇河岸と言われ、多くの団扇がつくられた町です。一本の竹の先を裂いて骨にし、残った部分をそのまま柄に余すことなく使い仕立てるのが江戸団扇の特徴です。天然素材の竹と和紙を用いて作る団扇は、竹の持つしなやかさが軽い力でも大きな風を起こしてくれます。
【風鈴】江戸の人たちは冷房のない夏を、涼やかな音、風に揺れるガラスの風情から涼を取り入れました。
【打水】江戸時代に本格的に広まったと言われる、気化熱を利用した環境に優しい涼をとる先人の知恵です。
日本橋という街には、着物や団扇、打水や風鈴といった江戸を感じさせるものが自然に溶け込んでいる。こうしたエコでエシカルな江戸っ子の知恵を受け継いで、持続可能な社会へとつなげていきたい。
【展示場所】YUITO 東京都中央区日本橋室町2丁目4番3号