湊っ子ちゃん

みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

湊っ子ちゃんは、江戸バスに乗っておでかけです。

 

江戸バスは、中央区のコミュニティバスです。

トレードマークの猫ちゃんと、真っ赤な車体のかわいいバスです。

猫に小判!100円玉、ワンコインで乗れるんです。

佃・月島方面の、リバーサイドを回る南循環と、日本橋方面の北循環があり、いずれも中央区役所発着です。

停留所は約30ヶ所あり、一回りの所要時間は約1時間です。

20分間隔で運行していますので、よく利用するバス停のキーとなる数字を覚えておくと、便利ですよ!

新富二丁目なら、平日は「3」。

どの時間も、03分、23分、43分に来ますよ。

乗り継ぎサービスや、おトクな乗車券、バスロケーションシステムもありますので、ぜひご活用ください。

 

江戸バスパップは年に2回ほど発行されて、

「映画・ドラマ・小説の舞台編」と、「桜だより編」

の2種類あり、それぞれのテーマから中央区をめぐることができます。

 

今日は、北循環に乗ります。

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

新富二丁目から乗って、新大橋通りをゆくと、本の森ちゅうおうが見えてきました。

八丁堀の歩道には、夏の花が咲いています。

左折して八重洲通りへ、久安橋(きゅうあんばし)に出会いました。

江戸時代のごく初期に、紅葉川という掘割があった道筋です。

東京駅が見えてきました。

 

八重洲一丁目の永代通りを一歩奥へはいると、西河岸橋。

ちかくの日本橋西河岸地蔵寺教会には、昭和13年、明治座で泉鏡花原作の「日本橋」を上演するさい、お千世を演じた花柳章太郎が、興行の無事を祈って奉納した「板絵着色お千世の図額」があります。

新派の古典演目「日本橋」は、かつてこのあたりが花街だった頃を舞台にしたお芝居です。

その頃の町名は、檜物町、上槇町、数寄屋町、元大工町などでした。

 

右手には三越の赤いマークが、青空にコントラストを描いてる!

左手には日本銀行本店本館の、重厚なネオ・バロック建築。辰野金吾の設計で、明治29年に竣工しました。ベルギーの中央銀行をモデルにしたといわれています。

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

コレド室町テラスを曲がって、中央通りに出ました。

わぁ~!これが三井本館かぁ!

コリント式のオーダー列柱!横川民輔の設計で、昭和4年に竣工しました。

直径2.5m、重さ50tの、米国モスラ―社製の大金庫もあるんです。

中央区観光検定にでるよね!

 

日本橋を渡らずに、左折です。

江戸桜通り。

春には両手いっぱいの、うすべに色の散歩道。

 

昭和通りと、そのうえに走る高速道路が見えてきたぁ!

まっすぐ行って、建ち並ぶビルの窓に、青い空が映ってる。まるで、大きなスクリーンみたい。

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

大伝馬町に入りました。

衣類関係の問屋さんが軒を連ねているね。

 

江戸通りをゆき、小伝馬町をかけぬけます。

清洲橋通りを走っていると、中央区の歩道を彩るボランティア花壇、「花咲くまち角」の植え替えをしているところに、ちょうど出会いました。

明治座が見えてきた。色とりどりの幟がまぶしい。

浜町公園のほうを眺めると、提灯がずらっと並び、「大江戸まつり盆おどり大会」(2023年8月25日26日開催)の準備がされていました。

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

新大橋通りを横ぎり、浜町、そして中洲へ。

作家の永井荷風は、少年の頃、夏になるとかならず隅田川を泳ぎました。

中洲の岸辺へあがり、水着のまま真砂座(まさござ)で芝居を観たという思い出を、「夏の町」(明治43年)に記しています。

 

菖蒲橋(あやめばし)という文字をみつけました。

菖蒲橋は箱崎川に架かる橋で、震災復興橋梁として、大正15年に竣工した、ラーメン橋台橋でした。橋の名は、この辺りがかつて、あやめ河岸と呼ばれていたことからきています。

昭和45年、高速道路の建設にともない、撤去されました。

箱崎川の面影はすっかり消え去ってしまいましたが、こうしてまちなかの名前に、その名残りをとどめていること、素晴らしですね。

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

前方に清洲橋が見えてきた!

ドイツのケルン川に架かる橋をモデルにした、優美な吊り橋。

昭和2年に架けられた、震災復興橋梁のひとつです。

たくましい永代橋と対をなし、ともに国の重要文化財になっています。

清洲橋に手を振って、右におれます。

路地をよこぎるごとに、そのあいまから、隅田川大橋の上を走る高速道路があとをついて来る!

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

水天宮通りにでました。

見上げると、ターミナルの雄大さに圧倒されます。

東京シティエアターミナル。

みんな、ここから旅にでるんだね。

ロイヤルパークホテルで、おしゃれなディナー食べたいなぁ!

地域のランドマーク、シンボルですね。

土日祝日は、ロイヤルパークホテルにも江戸バスがとまるルートになります。

 

水天宮通りを駆け抜ける江戸バス。

ふと、振り向くと、路地のむこうに、一本のおおきな銀杏の木をみつけました。

蛎殻公園の銀杏の大木。

今は、夏の緑を両手いっぱいに茂らせています。

 

水天宮が見えてきました。人形町通りの交差点。

人形焼き、おいしそうだなぁ~!

からくり時計台だ!

江戸落語と、江戸火消しの2種類の時計台があるんだよね。

時刻になると、人形が動くんです!

ほう…、人形町通りには、おもしろい看板建築がたくさん残っているね。

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

箱崎湊橋通りに入りました。

湊橋は、延宝7年に架けられた、とても古い歴史をもつ橋です。

八丁堀や鉄砲洲が、埋立てによってできるまえ、かつては、ここが江戸湊の中心であり、舟運の要所として栄えたことを物語っています。

現在の橋は昭和3年の竣工で、船のレリーフが印象的です。

 

かつての霊岸島、新川に入りました。

寛永元年、霊巌雄誉上人(れいがんゆうよしょうにん)によって埋め立てられた島です。地盤が軟弱で、こんにゃく島なんて呼ばれていたこともありました。

霊岸橋、そして新亀島橋に手を振って、亀島橋のうえから亀島川のきらめきをみつめます。

橋のたもとには、堀部安兵衛武庸之碑があります。

討ち入りのあと、赤穂浪士はこの橋を渡って、帰りました。

 

八重洲通りに戻ってきました。

ヤン・ヨーステン、ただいま!

豊後の国に漂着したのち、家康の外交顧問として活躍した、東インド会社のオランダ人航海士、ヤン・ヨーステン。

このあたりを拝領し、江戸っ子たちからも親しまれていたそうです。

やよーす、と呼ばれているうちに、やよす、やえす、と音が変わり、いまの地名にその名が残ります。

さっき渡った久安橋を向こうに見ながら、平成通りへ曲がります。

八丁堀に入りました。

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

新富区民館で降りて、本の森ちゅうおうに寄って帰ろう。

湊っ子ちゃんは、降車ボタンを押しました。

江戸バスの猫ちゃん、ありがとう!

「湊っ子ちゃん、また乗ってにゃん!」

江戸バスの猫ちゃんが、手を振ります。

またね~!

夏の江戸バスの旅を、たっぷり楽しんだ湊っ子ちゃんでした。

 

 

♪中央区ホームぺージ 江戸バスについて
https://www.city.chuo.lg.jp/kurashi/koutsuu/koukyoukoutsuu/edobasu/index.html

 

♪みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪南循環
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=4257

 

 

 みなとっこ日記 夏の江戸バスの旅♪北循環

中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん
第198号 令和5年8月28日