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2023 重陽の節句に嗜む「菊酒」

 2023 重陽の節句に嗜む「菊酒」

 9月9日は五節句のひとつ、重陽の節句。
節句は、中国伝来の陰陽五行説由来の季節の節目の日/年中行事で、奇数は縁起の良い陽数とされ、奇数が重なると吉祥とされる一方、陽から陰に転じる日として邪気を払う風習が始まったとされます。五節句中、一番大きな陽数(9)が重なる「重陽の節句」は、五節句を締めくくる行事として昔は最も盛んだったと聞きます。
別名「菊の節句」とも呼ばれますが、古来、菊は延寿の力があるとされ、その薬効で長寿と厄払いを祈願したことに因むとされます。築地波除神社では、10:00から祭典が執行され、平安時代の宮中の風習が当時に倣い再現され、①身に付けたり、御帳台の柱などに吊るし、端午の節句に薬玉と差し替える習わしの魔除けで、呉茱萸の実を緋色の袋に納めた「茱萸嚢(シュユノウ)」、②白い菊には黄色の真綿を、黄色い菊には赤色の真綿を、赤い菊には白色の真綿で覆い、翌早朝に朝露を含んだ綿を外し、体を拭き菊の薬効により無病息災を願う「菊の着せ綿」、③桃の節句で飾った雛人形を半年後の重陽の節句で虫干しを兼ね、健康、長寿、厄除けなどを願い再び飾る「後の雛飾り」などを伝承しています。
「後の雛飾り」は本殿に、「茱萸嚢」「菊の着せ綿」は獅子殿脇に各々展示されています。
境内では、参拝者に神社の御神酒に菊の花びらを散らした「菊酒」が振舞われています。
菊の花の芳香とその高貴な気品によって邪気を祓い寿命を延ばすと考えられており、早朝に菊花に溜まった朝露を飲むことも長寿に繋がるとされています。