2023 秋の風情漂う 枝垂れて野趣溢れる可憐な小花
ハギはマメ科ハギ属の落葉低木(一部多年草)の総称。 葉は互生し、3枚小葉からなる複葉で、上方の葉腋に花序をつくり、数個から10数個の紅紫、白、帯黄白色などの、マメ科特有の1旗弁2翼弁2舟弁からなる5弁の蝶形花を付けます。 秋の七草に数えられ、"くさかんむり" に "秋" の字が当てられ、秋の季語ですが、新暦上は夏から秋が花期です。 日本人には古くから親しまれており、万葉集で詠われた約160種の植物中、ハギの歌は最も多く、141首は歌中に、1首が題詞に記され、合計142首を数えます。 ハギの語源は諸説あるようですが、一般には、古株から芽を出すことから「生(ハ)え芽(キ)」説が有力とされているようです。 日本全国の山野に自生する「ヤマハギ」の他、「ミヤギノハギ」「ニシキハギ」「シロハギ」「マルバハギ」等約40種分布するとされますが、種が盗人の足跡に似ることから命名された「ヌスビトハギ」はヌスビトハギ属で別属です。 浜離宮恩賜庭園 潮入の池の畔、揺蕩(タユタ)う枝先に咲き誇るミヤギノハギの花は、1つ1つは小さくて控え目な印象ですが野趣に富み、湖畔に点在する御茶屋を背景に、秋ならではの大名庭園の景観に彩りを添えています。