Art Gallery in Shop@Ginza
「シャネル・ネクサス・ホール」
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※写真:シャネル・ネクサス・ホールの入口
「ラグジュアリークロス」の異名をとる銀座二丁目交差点。その一角を占めるシャネル銀座ビルディングは、シャネル銀座並木やシャネル ファイン ジュエリー銀座並木と同じく、米国人建築家ピーター・マリノの設計です。
このシャネル銀座ビルディングのオープン(2004年12月)とともに、シャネル・ネクサス・ホールは活動を開始しました。シャネル・ネクサス・ホールが日本で誕生した背景には、シャネル・ブランドを複合的に体験していただける場をつくりたい、というシャネル株式会社のリシャール・コラス社長(当時。現在はシャネル合同会社の会長)の強い思いがあったようです。
「ピグマリオン」はシャネルのDNA
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※写真:シャネル・ピグマリオン・デイズの会場風景
シャネルの創始者ガブリエル・シャネルは、芸術を愛し、パブロ・ピカソやサルバトール・ダリ、イーゴリ・ストラヴィンスキーをはじめとする多くの芸術家と交流。彼らの活動を支援した人物として知られています。シャネル・ネクサス・ホールは彼女の精神を受け継ぎ、クラシック音楽とファッションに欠かせない「アート」である写真を中心としたプログラムを展開してきました。
「シャネルはビグマリオン。人の才能を引き出すのが上手」精神分析医で、彼女の伝記『ココ・シャネル(1983年)』の著者クロード・ドレの言葉です。「ピグマリオン(Pygmalion)」という言葉はギリシア神話に語源を持ち、才能を信じ、支援し、開花させる人という思いが込められています。また、教育心理学では他者に期待されることによって成果があがる現象を「ピグマリオン効果」というそうです。
シャネル・ネクサス・ホールというチャレンジの場
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※写真:シャネル・ピグマリオン・デイズの会場風景
クラッシック音楽の若手音楽家に演奏機会を提供する目的で、シャネル・ネクサス・ホールの開館以来、「シャネル・ピグマリオン・デイズ」と名付けられたリサイタルが開催されています。昨年までに86名の若手音楽家が演奏機会を得て、音楽家としての新たな一歩を踏み出しました。今年は5名の若手音楽家が、自ら選んだ曲を演奏。その5名にはリサイタルとして演奏される機会の少ないヴィオラの演奏者が含まれており、「シャネル・ピグマリオン・デイズ」ならではのプログラムだといえるでしょう。
ちなみに、11月30日(木)、12月1日(金)、12月2日(土)には3年ぶりの室内楽コンサートCHAMBER MUSIC SERIES(入場無料・事前申込・抽選制)が予定されています。申込の受付は、シャネル・ネクサス・ホールHPにて10月10日(火)から11月5日(日)まで。私はこれまで室内楽コンサートを聴く機会があまりなかったので、さっそく応募したいと思います。
シャネル・ネクサス・ホールでしか観られないもの
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※写真:ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展の展示風景
今回のブログ記事の取材のため、「In Praise of Shadows – ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展(2023年9月27日~11月5日)」開催中のシャネル・ネクサス・ホールを訪れました。絢爛豪華なバロック建築であるヴェルサイユ宮殿の陰を、敢えてモノクロ写真で捉え、表現するユニークな企画です。数年かけて撮影された展示作品91点の中には、インテリアデザイナーでもある森田恭通らしく、対象物をクローズアップした作品が比較的多く、噴水の地下貯水槽やオペラ劇場の下の木造構造など、観光客が見ることのない舞台裏を撮影したものもあります。陰を主題にモノクロで撮影しているにもかかわらず、何故か眩い黄金の光を感じる作品もありました。実際に訪ねても観ることができない「ヴェルサイユ宮殿」を、今回の写真展で観ることができたと思います。
来年12月に開館20周年を迎えるシャネル・ネクサス・ホール。いまから来年の企画が楽しみでなりません。
シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3シャネル銀座ビルディング4階
URL:https://nexushall.chanel.com/