東京の「町中華」も中央区から始まった!
★今回は新刊本の紹介です。
こだわりのラーメン屋とは別に、今ちまたで、ジワジワと人気を集めているのが、いわゆる「町中華」といわれる個人経営の大衆的な中華料理店。
昭和に時代、一気に町々に現れた「中華屋」「定食屋」は、どの町にでも一軒や二軒はあったものです。
ラーメンなどの麺類に限らず、丼物や炒め物、餃子やシュウマイなどの一品物、お店によってはカレーライスや焼き魚定食、デザートやコーヒーまでも置いてありました。もちろん出前もOKです。町の人たちが気軽に入れてお腹を満たせるこの町中華が、私たちは大好きでした。
東京で町中華の歴史をさかのぼっていくと、中央区にあった中華料理店「大勝軒本店」さんにたどり着きます。創業1913年(大正2年)のこのお店は、日本橋人形町(当時は浪花町)にありました。
現在は業態を変えて珈琲店になっていますが、「大勝軒」の名前はしっかりと残しています。
※詳細は、以前このブログ内でお伝えしていますので、「珈琲 大勝軒」をご覧ください。
⇒ https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/archive/2018/12/post-5915.html
▲現在の「大勝軒」さんの看板。
さて、そんな愛すべき町中華を中心にして昭和生まれの食文化の魅力にあふれた本が出ましたので、ご紹介します。
北尾トロさんの『夕陽に赤い町中華』(集英社インターナショナル発行:1600円+税)です。6月5日から書店に並んでいます。
この本は、無口で職人気質の中華店の主人に、著者の北尾さんが少しだけ勇気を奮って取材を続けてまとめ上げた一冊です。
本は、「第一章 町中華はどこから来たのか」の冒頭、人形町の「大勝軒本店」さんから始まりますが、内容の詳細を明かすのはやめておきましょう。ぜひご自身でご確認ください。
一読後、グルメなあなたも、その日ばかりは近くの中華食堂に足が向いてしまうはずです。
▲第一章
▲人形町「大勝軒 本店」の歴史がまとめられています。