江戸っ子のエコで粋な暮らしの知恵

日本橋室町のYUITO裏にあるショーウィンドーで、江戸っ子のエコで粋な暮らしの知恵が紹介されている。今回は、風呂敷、屋台そば・一陽来復、銭湯・ゆず湯である。師走らしい雰囲気を感じさせる展示内容に、江戸の粋を感じた。

【風呂敷】湯屋に通う為の道具は風呂敷で持参しました。風呂敷は包み物としても、時には拭き物として、また名の由来の様にバスマットの様な役割も果たしました。ふろしきは、「結ぶ」ことで、長い物も運べたり、開閉式や固定式にできるなど様々な物を運ぶ事ができ、また洗濯もし易く衛生的で優れたアイテムなのです。

 江戸っ子のエコで粋な暮らしの知恵

【屋台そば】江戸のソウルフードである蕎麦。その普及には店を構えた蕎麦屋だけでなく、屋台の夜蕎麦売りが大きく貢献していたと言われています。当時の夜蕎麦売りの営業期間が立冬から春までとされ、冬の寒さに身と心が温められるとして、江戸っ子に欠かせないものとなっていたようです。

【一陽来復】一陽来復とは冬至の事で、陽の光が最も弱くなった冬至から翌年の節分まで、春に向かって回復していく、幸運が訪れるといった意味合いが込められている言葉です。また、冬至から節分まで縁起物として食べられていた「柚子蕎麦」。「柚子は融通がきく・・・お金の融通がきく。」といった駄洒落で金運アップの縁起物として広まったようです。

 江戸っ子のエコで粋な暮らしの知恵

【銭湯】火事と喧嘩は江戸の華と言われる程、当時の江戸は火事が頻発していました。その為、湯を沸かす為に薪をくべる内湯がある家は殆どなく、多い時で六百件程の湯屋と呼ばれる銭湯に身分問わず通いました。燃料が貴重だった時代、一度に皆で入る湯屋は非常にエシカルなライフスタイルだったのです。

【ゆず湯】昔から「柚子湯に入ると風邪をひかない。」といいますが、それは江戸時代に銭湯から始まったことのようで「冬至」を「湯治」、「柚子」を「融通」がきくにかけた駄洒落です。江戸っ子の間ではシャレのきいた人を教養があると見なしたようです。

私も、江戸っ子のエコで粋な暮らしの知恵を学び、持続可能な社会の実現に取り組んでいきたい。

 

<展示場所> YUITO 中央区日本橋室町2丁目4番3号 

 <アクセス>東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」A9出口より徒歩1分