壽 初春大歌舞伎 「息子」
令和6(2024)年、歌舞伎座は「壽 初春大歌舞伎」で幕開けです。
大正時代の新歌舞伎『息子』では、高麗屋 松本白鸚、幸四郎、染五郎の親子三代の共演となります。
雪が降る冬の夜。江戸の火の番小屋で一人寂しく焚火にあたる番人の老爺(白鴎)は、気に入らない相手には口も効かぬ頑固者。小屋に顔を出した捕吏(染五郎)も相手にしません。
しかし、両親を探しているというお尋ね者となって大坂から逃げてきた若い男(幸四郎)が入ってくると、自分にも9年前に上方へ出た立派な息子がいると話し出す老爺。
二人の会話を中心に展開。互いの身の上を語る中で、実はふたりが親子であることがわかってくるという親子の情愛が胸に沁みる名作です。
祖父、父との競演について染五郎は「3人だけの作品というのは踊りならありますけど、こういうセリフ劇ではなかなかないので、それを祖父と父とやらせていただけるというのは嬉しいですね」と語っています。