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2024 名残の梅見月

 2024 名残の梅見月

 梅は、春を運んでくる「東風」を待って咲くことから「風待草」とも呼ばれ、「百花魁」とも言われるように、寒い時期にいち早く開花し、松や竹と並び目出度いものの象徴として、古くから日本人に親しまれ、万葉集にも119首詠まれるなど上品で馥郁たる香りは人々を魅了してきました。                   2月を象徴する花で、梅見月は陰暦2月の異称·別名です。     浜離宮恩賜庭園では、これまで大手門出入口近辺の「白滝枝垂」「藤牡丹枝垂」「満月枝垂」、お花畑から旧稲生神社周辺の「八重寒紅」「八重野梅」「甲州最小」、花木園の「冬至」「紅千鳥」などの早咲き種が目を楽しませてくれましたが、園内約130本の内、約80本を数えると聞く梅林の梅も漸う咲き揃い見頃を迎えています。11代将軍家斉が好んだとされ、花冠が大振りで、見て驚くというのが名の由来とされる「見驚(ケンキョウ)」、枝や萼が黄緑色で清楚な印象の「緑萼(リョクガク)」、花梅実梅双方兼ね備えた「豊後梅」、概して同色がひと纏まりとなることが多いものの、枝ごとに、あるいは隣り合わせに紅白別々の花を咲かせるなど、1本の木に紅と白、絞りなど様々な色合いの花を咲かせ「輪違い(リンチガイ)」とも呼称される「思いの儘」などが植栽され、島状になった梅林の周囲をぐるりと歩きながら梅の香を堪能できます。愛くるしいメジロが梅の木々を小刻みに飛び回っています。