2024 気品ある高貴な紫の花色
4月17日、都心の最高気温が25.5℃と今季3回目の夏日を記録し、季節外れの暖かさで、例年4月下旬から5月上旬に見頃を迎える浜離宮恩賜庭園内の「フジ(藤)」が一部咲き揃い始めました。 フジはマメ科の蔓性落葉低木。 長く伸びた枝に、芳香性のある多数の蝶形花を上の方から付け始め、花房が垂れ下がり風に揺られる様は、艶麗で風情があります。春から夏にかけ、2つの季節に跨って咲くため「二季草(フタキグサ)」の異名を持ち、風に靡いて揺れる様を波に譬えて「藤波」と表現され、万葉集にも多数詠まれ、古より愛されてきました。 日本固有種には、茎が上から見て右巻きで、大阪の野田が名所だったので「ノダフジ」と呼ばれる種と、左巻きの「ヤマフジ」があり、一般には両種をフジと総称しているようです。 園内には、延遼館跡、潮入の池 お伝い橋/小の字島などに藤棚が設えられ、大半がヤマフジとされます。お伝い橋北端の藤棚には、ノダフジ系の「八重黒龍藤」(別名牡丹藤)が植栽されています。 黒龍藤の突然変異とされ、雄しべの弁化が著しく、蕾は濃紫色で開花が進むにつれ花色は淡くなりグラデーション豊かで、玉咲き(抱え咲き)の花房は蜜で、ブドウ房を彷彿とさせる独特の形状です。