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皆様、初詣はお済みですか？
今年は全国的にねずみにゆかりのある神社への注目度が高まっています。
ねずみにゆかりのある神社とは、そう、ねずみを使いとする大国主命（おおくにぬしのみこと／おおくにぬしのかみ）を祀る神社です。

大国主命というと、因幡の白兎のイメージが強いかもしれませんが、『古事記』の神話にねずみが大国主命を救う話があります。
それは、素妻鳴尊が大国主命の能力を試そうと野原の草に火を放った際、ねずみが逃げ場を失った大国主命に身を伏せることのできる穴の存在を教えたというものです。

日本橋には、大国主命のほか13柱の神様をお祀りしている松島神社があります。
口伝によると、1320年代以前、入り海であったこの辺りには松の木が鬱蒼と生えた小島があり、そこに下総国から柴田家の祖先が移り住んだ際に邸内社として諸神を勧請したといいます。
そして、夜ごとに燈火を掲げ、舟人が航海の安全を得たと伝えられています。
人形町や水天宮からも近いため、まち歩きの途中に参拝してみてはいかがでしょうか。

住所：東京都中央区日本橋人形町2-15-2
電話番号：03-3669-0479
参考資料：中島和歌子「上代の鼠の諸相 : 『古事記』で大国主を火難から救うのが母鼠である理由」、『札幌国語研究』Vol. 18（北海道教育大学国語国文学会、2013年）
http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7588

続いてご紹介するのは、中村座に出演していた大阪の歌舞伎役者関三十郎が伏見より勧請したと伝わる三光稲荷神社です。

松島神社と異なり、御祭神は大国主命ではありません。
では、なぜねずみにゆかりがあるのでしょうか。

先輩特派員の方々も何度かご紹介してきた通り、実はこの神社の近くには、鼠小僧の生家があったと言われています。
また、天保3年（1832年）5月、鼠小僧は浜町の大名屋敷松平宮内少輔（忠恵）邸に忍び込んだ際、藩主忠恵に出くわし家臣に取り押さえられお縄になりました。
鼠小僧も収監された小伝馬牢屋敷展示館は近くの十思スクエア別館内にあります。
古き良き江戸情緒の残るエリアにて、鼠小僧時代にタイムスリップした気分でまち歩きを楽しんでみませんか？

その一方、この神社では失せ猫祈願をしていただくことも可能です。
愛猫の名前・年齢・不明となった日時・経緯等を記入の上、人形町通りを右に4軒進んだ場所にあるオキナさんに17時までにお届けくださいとのこと（祈願料に定めなし）。

神社の案内板によると、「古くから娘、子供、芸妓等の参詣するものが多く、ことに猫を見失ったとき立願すれば霊験ありと云う。『三光稲荷神社参道』と銘ある石碑や境内にある猫の置物は猫が無事に帰った御礼に建立、奉納された」とあります。
昔からそう言い伝えられていると聞くと、本当に失せ猫が見つかりそうな気がしてきます。

住所：東京都中央区日本橋堀留町2丁目1-13

日本橋から築地に移動して、ねずみにゆかりのあるスポットを探します。
しばらく歩いていると、昨年の年始に先輩特派員小猿さんがご紹介していた「築地えとビル」が見えてきました！

トップの写真にもあるように、ねずみが3匹見て取れますがなかなかリアル。
さらに子年の「子」の字にも味があり、拓本を取って年賀状のデザインにしたいと思うのは私だけでしょうか。
建物の特徴や正午を知らせるカリヨンの詳細については、小猿さんの記事をご覧ください。

住所：東京都中央区築地1丁目12-6

築地のお隣明石町にある聖路加国際病院内の礼拝堂前の床および壁には、ねずみ、オウム、シベリアマングース、のみ、蚊、ハエ等、伝染病を媒介する生物のレリーフがあります。
それらが病院に設けられた意図は不明ですが、おそらく伝染病への注意喚起のための啓蒙活動だったのではないかと言われています。
受診で来院される方もおりますので、ご説明にとどめさせていただきます。

最後は銀座から可愛くて美味しいねずみのご紹介です。
パリのパティシエ故アンドレ・ルコント氏の精神を受け継いだお店「ルコント」さんをご存知でしょうか。
彼は東京オリンピックの前年1963年に来日し、日本に本場のフランス菓子を伝え、多大な貢献をしてきました。

製法・レシピ・材料を含め、万事フランス流にこだわるルコントさんのスイーツには、今でも多くのファンがいます。
特に子ねずみ型の可愛いシュークリーム「スウリー」は、子年である今年は特に人気！
私も年末の銀座店に数度足を運びましたが、午後の早い段階で売り切れ...
お求めの際はお早めにお出かけ下さいませ＾＾

■銀座店
住所：東京都中央区銀座7-8-6
営業時間：10:00〜19:00
定休日：不定休
電話番号：03-6280-6920

■日本橋三越店
住所：東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店 本館地下1階
営業時間：10:00〜19:30
電話番号：03-3241-3311(代表) 

ねずみといわれても、これまでのところ正直あまり良いイメージを抱いていませんでした。
しかし、改めて中央区内の様々な場所を巡ってみることで、思いの外おめでたいねずみや美味しいねずみもいるということに気がつきました。
この他にも様々な発見がありそうなので、視野を広げ、引き続きまち歩き中にねずみにゆかりのあるスポットやエピソードを探してみたいと思いました。