はじめ

銀座の街路樹に、御礼申し上げます(続き)

9月下旬まで本当に厳しい暑さが続いた今年の夏。この約3か月、街歩きの際にたいへんお世話になった銀座の主な街路樹を、前回に引き続きご紹介いたします。

シナノキ@並木通り

シナノキ@並木通り 銀座の街路樹に、御礼申し上げます(続き)

中央通りから3本西を南北に走る「並木通り」。銀座の裏通りらしく、ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチなどの高級ブランドのお店(もなかで有名な老舗和菓子店「空也」もあります)と、初夏に香りのよい小さな黄色の花が咲くシナノキ(良質のハチミツも取れます)が立ち並んでいます。シナノキは日本固有種。北海道から九州まで広く分布していますが、信濃地方に特に多かったことから「信濃」という地名になったそうです。

ハナミズキ@松屋通り

ハナミズキ@松屋通り 銀座の街路樹に、御礼申し上げます(続き)

銀座3丁目と4丁目の間、高級百貨店の通称「松屋銀座」の横を東西に走る「松屋通り」。一青窈の歌で一躍有名になったハナミズキが植えられています。4月から5月かけて白色ないしは歌詞にある通り薄紅色の花を咲かせ、秋には葉が赤く染まり、赤い実がなります。ミズキやヤマボウシの仲間で、ミズキよりも花が目立つことが名前の由来です(アメリカ原産であることから、標準和名はアメリカヤマボウシ)。

ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)@みゆき取り

ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)@みゆき取り 銀座の街路樹に、御礼申し上げます(続き)

銀座5丁目と6丁目の間を「晴海通り」と並行して走る「みゆき通り」。明治天皇が皇居から当時築地にあった海軍兵学校や海軍大学校の卒業式などに臨席するための行幸路であったことから名付けられたといわれています。街路樹のヒトツバタゴは「なんじゃもんじゃ(特定の場所に生えている見慣れない立派な樹木のこと)」と呼ばれることが多く、日本においては天然での分布域が狭く、希少種のひとつだそうです。

トウカエデ@交詢社通り

トウカエデ@交詢社通り 銀座の街路樹に、御礼申し上げます(続き)

銀座6丁目と7丁目の間を東西に走る「交詢社通り」。通りの名前は1929(昭和4)年に竣工した交詢ビルディング(福沢諭吉を中心に設立された日本初の社交倶楽部「交詢社」の拠点。現在のビルは2代目)に由来しています。街路樹として植えられているトウカエデは、18世紀に徳川幕府への寄贈品として中国から入って来たカエデで、カエデに中国を意味する「唐」を付けてトウカエデと呼ばれるようになりました。

それぞれの通りに個性的な木々が植えられている銀座。今夏はあまりに暑くて楽しむ余裕がありませんでしたが、今月は街路樹を愛でながら散策することができそうです。