隅田の花火

中川るな先生の個展にお伺いしました。

台風が接近するとも伝えられた27日の土曜日、聖路加国際病院の第一画廊で開催された中川るな先生の「聖路加画廊ミニ展○●」にお伺いました。

とってもドキドキな訪問でしたが、そのご報告です。

中央区明石町にある聖路加国際病院には2つの画廊がございまして、今回の中川るな先生の展示は第一画廊での開催。この画廊は病院本館1階の食堂に繋がるスペースにあるので、食堂に入られる方をはじめ、多くの方が作品に目を向けられます。今日は土曜日ということもあり、落ち着いた雰囲気になっておりました。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

先生の作品はご覧のように、壁に掛けられた大きな丸や四角形の中に、模様が異なる小さいマル「○●」を綺麗に並べた立体的な作品。素人の発言で誠に申し訳ありませんが、他では見ることのできない、とても独創的な作品だと思います。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

それぞれの小さい「○●」をよく見てみると、模様は布地に繊細な「刺繍(ししゅう)」が施されたものであることが分かります。ミシン刺繍なのだそうですが、これら一つ一つの小さな「○●」を作るのに、とても手間が掛かっているのは、刺繍には無縁の私にも容易に想像できます。この画廊を通られた方は、作品を見てとても癒されたのではないでしょうか。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

 

残念ながら、この聖路加画廊での個展は終了してしまいました。今後もどこかで開催を期待したいものですが、ここ中央区では銀座の奥野ビルにあるギャラリーでも展示をされたことがあるそうですので、中央区のどこかでまた伺えるチャンスがあるかもしれません。

もしかして、中学の時の先生?

聖路加画廊にはホームページがございまして、今後の開催予定などを確認することができます。

≪第一画廊≫
https://www.luke-service.co.jp/primary/

≪第二画廊≫
https://www.luke-service.co.jp/secondary/

 

今月の初め頃だったでしょうか。このホームページを見ていて、どこかで目にしたことのある名前を見つけました。

「中川るな」

私が中学生だった頃に教わった美術の先生と名前が同じでした。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

先生の名前というものは悲しいことに、あまり関わりのなかった先生だったりすると時間が経つにつれて記憶が薄れてしまうものです。ですが、この「中川るな」先生の名前は別でした。

確か、私が中学1年生として入学した時だったと思うのですが、「るな」先生が新しくこの学校に赴任されたことと、その名前の由来が、全校朝会で校長先生から直々に紹介されました。その由来は宇宙に打ち上げられた外国のロケットか人工衛星か何かの名前。当時の名前としては珍しい外来の文字を由来とする「るな」で、そのロケットが宇宙に打ち上げられた頃の若い世代が先生として学校にやってきたことに、校長先生は感銘を受けられていたご様子でした。

そういったお話を、中学1年生の私が、子どもながらも同じように感銘を受け、何十年も経った今も覚えていたとうわけです。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

先生だよな・・・先生じゃないよな・・・。美術の先生だったので「もしや」と思い、気になったので調べてみると

『 Luna 』

という文字が・・・。先生に間違いない。そう確信したのでした。

 

実際にお会いするまでかなりのドキドキでしたが、お話しをしてみると、記憶の中の「中川るな先生」であることが確認できてホッと一安心。ですが先生が私のことを覚えているはずもなく、一方的に私が覚えているだけなので、何を話したらよいのやら・・・。何十年ぶりなんだ?計算するのが面倒くさい。すごく恥ずかしくもありました。

いろいろお話をしていると、中学の頃の思い出が甦ってきてとても懐かしくなりました。先生から教わったのは、木を掘ってトレイを作ったり、レコードジャケットの絵をステンシルみたいので描いたり、落款印を掘ったり・・・。中学時代にはほとんど褒められることが無かった私ですが、作ったものではなく、作ったときの「苦労」を先生に褒めていただいたことがあって、それがとても嬉しかったこと記憶しています。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

私が中学を卒業した頃と同じ頃に先生は学校を辞められ、青年海外協力隊に参加されたり、再び美術の学業に専念されたりと、いろいろと挑戦されたそうです。中学生の時は、私にとっては大人の先生の中のひとりだったのかもしれませんが、今思うとお姉さんのような先生だったので、先生もいろいろな挑戦ができる世代でした。そして今もなお、精力的に活動されている姿を目の前で拝見し、励みになると同時にとても身が引き締まる思いがしました。

今後のご活躍をお祈りすると同時に、これからもささやかに応援をさせて頂きたい思います。

 中川るな先生の個展にお伺いしました。

今年、そして7月の今月は、アポロ11号が月面に着陸してからちょうど50年という月でした。この日、隅田川では毎年恒例の花火が上がりましたが、この花火が上がるといよいよ夏が本格化。先生の作品の中の「○●」には、もしかしたら丸い月があるのかもしれませんが、私には空にうち上がる花火ように見えてしまいました。