みど

日本橋人形町「ゆかた博物館」

中央区には様々な博物館がありますが、今回ご紹介するのは地下鉄人形町駅
から徒歩2分ほどのところににある「ゆかた博物館」です。
明治27年(1894年)創業の浴衣の製造卸問屋の「三勝(さんかつ)」が
自社製品の反物や古くから使われている染色の道具などを展示しています。

まず展示スペースの入り口に設置してある白地に藍色の浴衣が目に入って
きます。これは人間国宝の清水幸太郎氏の作品で「長板中形」という江戸
時代からの染色技法を使ったものだそうです。型付けに6mほどの長板を用い、
生地の表裏両面に型を置いて細かな柄を継ぎ目なく染色し、修練が必要で
とても手間がかかる技法とのことです。
ちなみに「ゆかた博物館」の現館長(清水敬三郎氏)は清水幸太郎氏の三男
だそうです。

展示は明治・大正・昭和時代の反物、染色の道具類、ゆかた染めの様子、
古い雑誌やポスター、さらには横綱白鳳の相撲浴衣、有名な落語家の浴衣
など多彩なものが展示されています。
中央区のこの辺りは戦災で焼失した問屋が多かったので、保存状態が良い
浴衣が残っているのはとても貴重なことだそうです。
入館は無料ですが、事前予約が必要で午後3時からと午後4時からの2部制
になっています。
人形町界隈を訪れた際には、繊細で上品な「ゆかた」をご覧になって江戸を
感じてみてはいかがでしょうか。

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ゆかた博物館
東京都中央区日本橋人形町3-4-7
東京メトロ日比谷線、都営浅草線人形町駅から徒歩2分
土日・祝休日、年末年始は休館。入館無料
電話:03-3661-8859
管理者:三勝株式会社
http://www.sankatsu-zome.com/