St. Patrick's Dayまでもう少し!
中央区とアイルランドの関係とは
こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です!
春分の日まではもう少しありますが、3月17日は何の日かご存知でしょうか?
この日は...日本から遠く離れた国、アイルランドの祝日St. Patrick's Dayです。
St. Patrick(セントパトリック)はアイルランドにキリスト教を伝えた聖人で、
彼の命日(460年3月17日)であるこの日はシンボルカラーの緑色の服を身につけたり、川を緑色に染めたり、建物等を緑色にライトアップしたりと、
個人ではなく、街ぐるみで祝うこともしばしば。
近年は日本でも徐々に定着し、代々木公園で開催されるI Love Ireland Festivalや
表参道の一部を通行止めにして行うSt. Patrick's Dayパレードには、
アイルランド大使も参加する等、非常に盛り上がりを見せています。
ということで、今回はSt. Patrick's Dayに先立ち、中央区内のアイルランドに関するスポットをエリアごとにご紹介したいと思います!
アイルランド×日本橋
東京駅から近く、楽々アクセスできる日本橋エリアに、
外観からしてダブリンの街を思わせるアイリッシュパブCELTS八重洲店があります。
アイルランドらしい料理やラグビー観戦は勿論のこと、
アイルランドを代表するお酒Guiness(ギネス)も楽しめます♪
豆知識になりますが、ギネス世界記録等で知られるギネスは、
意外かもしれませんがこのお酒の醸造所から誕生したんです!
ギネスワールドレコーズジャパンの「ギネス世界記録の歴史」によると、
「1951年、アイルランドはウェックスフォード州で狩猟を楽しんでいた当時ギネス醸造所の最高経営責任者だったヒュー・ビーバー卿が投げかけたある質問―『 ヨーロッパで最も速く飛ぶ狩猟鳥はどれか? 』をきっかけに、世界記録を集めた本が誕生」したそうです!
こういった興味・関心から後世にまで残るものが誕生したとは感慨深いですね!
大人になっても、日頃から「なぜ?」と思う気持ちを大切にしたいと思わされます。
少々話が膨らみましたが、お酒と記録のギネス...アイルランドが発祥のものって意外と身近にあるんですね。
そしてこちらのパブでは、3月23日(土)の14:00~17:00に、日本アイルランド協会St. Patrick's Dayの集いが開催されます。
会費制ですが、アイルランド講談、ハープの演奏、ラグビーワールドカップに関する話やクイズが行われる予定なので、
ご興味のある方はこちらで交流を深めるのもありかもしれませんね♪
店名:CELTS八重洲店
住所:東京都中央区日本橋3-2-17
営業時間:月~土 14:00~翌5:00(日・祝の場合、~23:30)
定休日:なし
公式サイト:https://celts.dkdining.com/yaesu/
アイルランド×銀座
続いては銀座でアイルランド関連スポット探し!
まず目に留まったのが、金春通りにある「煉瓦遺構の碑」。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、こちらの碑には、
煉瓦街の設計者は、イギリス人のトーマス・ジェイムス・ウォートルス(Thomas James Waters)だと刻まれています。
しかし、ウォートルスは1842年アイルランドのオファリー州バー(Birr, County Offaly)生まれだったような...
本当にそう言えるのだろうか...と疑ってしまうのは英国のことになるとうるさい私←
そこで、簡単に英国史・アイルランド史をひもといてみることにします。
【英国とアイルランドの関係(19世紀以降)】
~グレートブリテン王国とアイルランド王国は、宗教や権利等の違いから長年対立~
1800年 2国を合併する合同法が成立する
1801年 アイルランド議会が廃止され、アイルランド王国が併合された結果、
グレートブリテンおよびアイルランド連合王国となる
~1910年代、アイルランド自治法の成立や独立を主張する党の蜂起が起こる~
1919年 アイルランド独立戦争勃発
1921年 アイルランド自由国(アイルランド島南部26州から構成)が誕生(自治領)
1927年 連合王国が、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国と改称
~1920年代後半-30年代前半、議会や憲章でイギリスと自治領の関係が名目上対等に~
1937年 完全独立を求める指導者が新憲法を制定し、自由国からエールに改称
1949年 エールが公式にイギリス連邦を離脱し、アイルランド共和国となる
(※プロテスタントが過半数を占める北アイルランド6州は今も英国の一部)
この簡単な歴史年表を見ると、銀座通り沿いの煉瓦街が完成した1873年、
今日のアイルランド共和国もしくは同様の国は存在していません。
つまり、彼が生まれたのは今日のアイルランド共和国で間違いありませんが、
当時は政治上「アイルランド」がなく、「イギリス人」扱いとなったようです!
なるほど...以前ご紹介した「オランダ正月」といい、奥が深いですね。
アイルランド×築地
続いては、築地に移動します♪
「築地でアイルランドに関するものなんて見つかるの?」と疑心暗鬼のまま
場外市場の店先の看板やメニューを見て歩くこと約30分...
目に入るのは「国産天然マグロ」や「天然マグロ」の文字ばかり...
豊洲市場での初セリで有名になった青森県大間産のマグロをはじめ、高知のマグロ等、
国内の産地が見える化しているお店もありますが、
一般客向けのお店では、産地まで公表されていないマグロが多いのです。
(セリやプロが集まるお店では、当たり前のように公表されているのでしょう。)
マグロに限らず、魚介類と言って思い浮かぶ海外の国や地域はというと、
おそらくアラスカ、アイスランド、チリ、ノルウェー、ロシアあたりだと思います。
やはり、「アイルランドではなくアイスランドか...」と思った矢先、
とある撮影OKの店舗の冷蔵庫に貼られた「鮪マメ知識」を発見♡
このマメ知識の「世界のマグロの生息域と漁獲量」によると、
漁獲量の少ないクロマグロが獲れるのは、東北あたり、アメリカ合衆国東海岸の一部、
地中海の一部、そしてアイルランド島の北西部の海!
ついにアイルランドとの接点を見つけました♪
これをヒントに「築地 アイルランド産 マグロ」等で検索してみると、
どうやらアイルランド産のマグロは高級店でしかお目にかかれず、
冷凍マグロでは世界一と言われるほどの高品質だということが分かりました。
魚を通して新たなアイルランドとのつながりが見え、勉強になりました。
アイルランド×晴海
続いては晴海でアイルランドを探します!
アイルランドとの関係がパッと思い浮かぶ方の方が少ないと思いますが、
実は2002年4月に、アイルランドの哨戒艦「L.É. NIAMH」が晴海埠頭に停泊するという出来事がありました。
その際は、内部が一般公開され、多くの人でにぎわったそうです。
アイルランドのように遠方から遥々航海をしてくる船はなかなかないと思いますが、
東京2020大会に向けて、晴海埠頭もより国際的になるのでしょうか。
こうして見てみると、中央区には意外とアイルランドとの関係がありました。
築地には明治時代に外国人居留地があったので、
調べたら新たな関係性が見えてくるかもしれませんね♪