銀座を案内するのなら。
「今、銀座の街ってどうなっているの。」
「うん、相変わらず、インバウンドの方々が多いよ。
世界中のブランドが集まっているし、国際都市の様相だね。」
「時間あるんだけどさ、行ってみない。」
『えっ、今さら銀座。
たくさんの銀座名店を知っている人だけに、気が重いなァ。
しばらく来る機会がなかったというので、じゃあ。』
スタートは、やはり四丁目交差点から。
上京した人が、「よし、これから東京で頑張るぞ。」と決意を新たにする、ガッツポイントです。
昨年7月に国税庁から公表された30年路線価は、銀座中央通りの1平方メートルあたりが4,432万円。坪だと優に1億円超え。
過去最高額であり、鳩居堂前のこの位置は、33年連続日本一を記録しています。
床に並べると、一万円札の厚さは何センチになるんだろうと、人ごとながら相続税納付の大変さに思いを馳せます。
東京鳩居堂 銀座本店。老舗の文具店です。
お香、お線香の爽やかな香りが、来店者を迎えてくれます。
梅や桜の季節の香り、コーヒーの香り。
香りって一度閉じ込めて、また取り出せるのですね。
筆・墨・和紙工芸品。海外の方にも興味を持たれ、喜ばれています。
「クッキーとかサブレの菓子店かと思っていた。」なんて人もいましたが。
GINZA SIXは、2017年4月20日に開業した、地域最大級の商業施設。
オープニングには、椎名林檎とトータス松本のデュエットによる「目抜き通り」が華やかに奏でられました。
ショップめぐりをするのも面白いのですが、するするっと屋上に上がりましょう。
屋上庭園。銀座のど真ん中に居ながら、広い空が広がっているのです。
回廊を歩けば、東京タワーにスカイツリー。
何よりも、銀座四丁目交差点。先ほどまでいた地点が、間近に見下ろせるのです。
あの土地が、ウン億円か。
そして銀座松坂屋時代からの靍護稲荷神社も、屋上で参拝できます。
防火の神としてご利益があります。
中央通りを銀座七丁目交差点に向かって歩きます。
資生堂ビルの角を西に右折し、花椿通りに入ります。
北側の歩道を行くと、見落としてしまいそうな「豐岩稲荷神社」の石柱が。
えっ、先が見えない路地が続いていますよ。
その路地に入っていきましょう。
足元が傾いているところもありますから、気を付けてくださいね。
クランクの先の左側に、朱塗りの小さな社殿が姿を現します。
路地の中に鎮座しているのが、豐岩稲荷神社。
周囲の薄暗さが雰囲気を盛り上げます。
歌舞伎の市川羽左衛門が参詣し、一躍多くの芸能関係者が訪れるようになりました。
防火、縁結びにご利益がある神社です。
さて、その先へ路地を進んでいきましょう。
あれっ、行き止まりだ。
いえいえ、きちんと前に進めるのです。
時折テレビでも取り上げられる、銀座の不思議ゾーンを通り抜けましょう。
銀座ショッピングの常連さん達にも、このコースは好評でした。
銀座を立体的に見る感覚が、意外な発見に結びついているからなのでしょう。