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「中央区」という名称

「東京が大阪に再考求めた『中央区』」というブログ投稿があったので、少し述べたくなりました。

 

 東京都中央区という名称についての歴史的経緯については、2015年5月30日に、小生が「幻の名称『大江戸区』」という題で、投稿しています。

 

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/archive/2015/05/post-2479.html

 

 現在の「東京都中央区」は、昭和22年、旧日本橋区と旧京橋区が統合されて出来たのですが、その日本橋区と京橋区が成立したのは明治11年。その当時の立案者は、名称を北江戸区、南江戸区と考えていたそうですね。すなわち、日本橋・京橋両区の地域を「江戸」と考え、これを南北二つに分けて区とするという考え方であったようです。 昭和22年の中央区成立(両区統合)の際にも、名称を「江戸区」だとか「大江戸区」とするという案があったようです。

 表記のような問題が起こる原因は、「中央区」などという無機的で月並みな名称そのものにあるのであり、東京都中央区の名称は「大江戸区」あたりの方が良かったのではないか、という気がします。

 そもそも、大阪市中央区は、地理的にも大阪市のほぼ中央に位置しますが、昭和22年の成立時においても、東京都中央区は位置的には「中央」という名称は、必ずしもそぐわなかったのではないだろうか。

 

 なお、本欄は、政治的意見を述べる場ではないと考えられるので、詳しく論じることを差し控えますが、現在提案されている「大阪都案」なるものは愚案というほかなく、このような内容のない軽率な案が大真面目に提案されているところに大阪の衰退を思い、東京へ下ってくるまで「大阪市中央区」で幼少時代を過ごした者として強い怒りを抱いています。