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『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

『ギフト、そして自分も楽しむ』をベターに取材します、rosemary  sea  です。

 

『「新参者」と人形町 10年を考察』シリーズ、今回は小説「新参者」の単行本・文庫本の書籍表紙・裏表紙に描かれている人形町をテーマとしてご紹介したいと思います。

 

・・・最初は小説「新参者」単行本の書籍表紙からご紹介します。

東野圭吾さんの小説「新参者」単行本は2009年9月に刊行されました。

「新参者シリーズ」のスタートです。

上の画像は現在の「甘酒横丁」交差点です。

右に写っています角が東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅 A2出口。

日本橋人形町1-17-7先。

右横断歩道より右手前が「甘酒横丁」、左から右に通る一方通行道路が「人形町通り」です。

このアングルと見比べていただきたいのが下の画像です。

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

10年以上の開きが感じ取れます。

左の建物にある看板が写真では「SUGAYA」さんとなっていますが、上の絵では「スガヤ」さんとカタカナ表記です。

ですが、右の建物の看板「ちとせ屋」さんや、その左隣りの「玉ひで」さんの文字はほぼ同じですね。

 

単行本「新参者」の表紙・裏表紙

単行本「新参者」の表紙・裏表紙 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

そうです、小説「新参者」の単行本の表紙に描かれている絵を拡大すると、「甘酒横丁」交差点の町並みがモデルとなっていることがわかるのです。

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

ちなみに、裏表紙も同じ構図で描かれています。

 

・・・それでは2013年8月に刊行されました「新参者」文庫本の表紙はどうでしょうか?

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

モデルとなっていますのは、「芸者新道」です。

人形町通りから日本橋小学校までの、100mほどの小路。

ここは芸妓修行中からの女優・花柳小菊さんの住居がありましたので、「小菊通り」とも呼ばれていました。

 

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

左側は料亭・酒亭「人形町きく家」さんです。

(日本橋人形町1-5-10)

第2章「料亭の小僧」に登場する料亭「まつ矢」として小説「新参者」のモデルとなりました。

また、TVドラマ「新参者」のロケ地にもなりました。

映画「祈りの幕が下りる時」のエンドロールに登場の1店でもあります。

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

こちらは小説「新参者」発売時のポスター。

こちらのブログ記事できく家さんをご紹介した際にも載せましたが、きく家さんに保管されているものを写させていただきました。

上部に大きく「芸者新道」、下部には文庫本と同じく「甘酒横丁」交差点が描かれています。

 

芸者新道は撮影スポットとして、多くの方々に愛されています、趣きのある小路です。

あなたも記念に1枚いかがですか?

 

・・・続いて、中国版の書籍表紙です。

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

中国版「新参者」の表紙は、このように描かれています。

甘酒横丁がとても狭い道となっています。

右は第8章「民芸品屋の客」の民芸品店「ほおづき屋」、左は第1章「煎餅屋の娘」の煎餅屋「あまから」。

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

「ほおづき屋」のモデルは民芸品店「日本橋ゆうま」さん。

(日本橋人形町2-32-5)

そして・・・

 

 『新参者』と人形町 10年を考察 ⑥
  ~ 書籍表紙に描かれている人形町 ~

「あまから」のモデルはおせんべいの「にんぎょう町草加屋」さんですね。

(日本橋人形町2-20-5)

甘酒横丁の2店を描いているようになっていますが、実際は「ゆうま」さんのずっと手前の同じ並びに「草加屋」さんはあります。

絵はそれを向かいのお店のように描いています。

 

「草加屋」さんも「ゆうま」さんもTVドラマ「新参者」のロケ地となっていますね。

草加屋さんも映画「祈りの幕が下りる時」のエンドロールに登場しました。

そしてこのブログで複数回、「草加屋」さん「ゆうま」さん「きく家」さん、ロズマリの記事として出させていただきました。

こちらの3店の他にも人形町には「新参者」のモデル店やロケ地が多くあります。

 

・・・このように人形町は、まさに「新参者」の世界が広がっている町です。