マイクロツーリズム in 中央区
東京発着が対象外とされたGOTOトラベルキャンペーンは、補助がなくなったというだけのことで、旅行自体が禁止されたというわけではないですが、「東京発着の旅行が望まれていないんだな」と思うと二の足を踏んでしまう人も多いかもしれないですね。ハムレットではないですが、「行くべきか、行かざるべきか、それが問題だ」というところでしょうか。
冷静に考えれば、感染リスクというのはその大半が「人との接し方」に依存するものなので、「どこに出かけるか」さらには「何県に出かけるか」を制御しても何の意味もないはずです。
しかしウイルス自体は目に見えないものなので、「(何か怖いものが出てくるかもしれないので)暗闇が怖い」と思ってしまう恐怖心理と似たような心理は止めようが無いですね(^^)。
そんな中、星野リゾート代表の星野佳路社長が提唱しているマイクロツーリズムが各所で話題になっているようです。
マイクロツーリズムとは、かいつまんでいうと、「地元(1時間圏内が目安)での観光の推進」というもので、遠方への旅行に少し抵抗があるこの時期、気持ちのハードルを少し下げられるという以外にもリピートしやすいなど、いろんなメリットもあります。詳しくは上記のリンクをご参照ください。
他県から見ると「恐ろしい」都民の私たちも、都民同士で見れば「きちんと対策していれば実はそんなに怖くない」ことはわかっているので、まじめに感染対策をして、お得にマイクロツーリズムを堪能する好機かもしれないです(^^)
都民限定プラン
マイクロツーリズムを大きく後押ししてくれるのが「都民限定プラン」というサービスです。(もちろん、東京都でだけ実施されているわけではなく、各県それぞれに各県民限定割引が実施されています)
ホテル直販で限定プランを出しているところもありますが、多くはJTB・楽天・じゃらん・Yahooなどのエージェント経由での予約になるようです。とにかく、ちょっと検索してみるとわかりますが、通常価格の半額以下になっているものも多く、驚きの価格です。
近所のホテルに宿泊しても「旅行気分」にはならないとは思いますが、旅行の目的が「非日常を体験する」ということにあるとすれば、家事から解放されて上げ膳据え膳のサービスを受けられ、普段よりも快適な入浴と睡眠が得られるだけでもかなりの気分転換になることは間違いありません。
あるいは、近所のホテルが気にはなっていたけども、「わざわざ泊まってみるというのもなんだかなあ」と思っていたハードルも都民限定プランがかなり下げてくれます。
まずはご近所探訪で
というわけで?この7月に八丁堀にオープンしたばかりの「八重の翠(やえのみどり)」というホテルに泊まってみました。
このホテル、4月のはじめにオープン準備が整っていたように見えたのですが、その後稼働している様子もなく、せっかくの綺麗な植え込みもちょっとしおれかかっていて少し気になっていたのです。
フロントのかたに聞いてみると、やはり本当は4月にオープン予定だったものの、コロナの影響で3か月ほど開業を遅らせていたとのこと。とにかく無事にオープンできて何よりです。
どんなホテルなのかは下記の画像をご参照ください。ちょっと変わった構造で、和風テイスト満載のビジネスホテルです。何よりまだ新築の香りが漂っているくらい清潔感にあふれていました。
マイクロツーリズム in 中央区
下記はHotelBankというサイトが発表している、都内の地域別宿泊キャパシティランキングです(2020年2月時点)。見てわかるよう、中央区のキャパシティは、面積や人口に比べて随分大きいことがわかります。
順位 | 地域 | 客室数 | 施設数 |
1 | 港区 | 32,089 | 187 |
2 | 中央区 | 26,161 | 199 |
3 | 台東区 | 22,379 | 403 |
4 | 新宿区 | 21,332 | 194 |
5 | 千代田区 | 19,539 | 132 |
そして、ここまでたくさんあるホテルのほぼすべてがきちんと感染対策を施し、それを価格に転嫁して高額な価格設定をするどころか、むしろ価格を下げてまでお客の受け入れ態勢を整えているのです。
・・・ということは、もう普通の観光スポット巡りではなく、ホテル巡りというのが中央区などではひとつの観光の目玉になるような気がします。
ただ、連泊となると、「日中はどこで安全に楽しく過ごすのか」という課題をクリアしなければいけませんが、「1泊の宿泊を目的とした中央区訪問」に、「ディナーや朝食を近所の(安全な)有名店で」というセットプランがまずはオススメのような気がします。(あくまでも私案です)
それをさらに「毎週1泊」していただけるようなシリーズ泊プラン(累計4泊で何かの特典とか)ができれば楽しいですよね♪
ほかにも課題が・・
1)軽症者受入れ
コロナの第1波が収まったあたりで、東京都は軽症者受入用のホテルとの契約を続々と解除してしまったため、今になって再度、再契約に躍起になっているようです。なので、「マイクロツーリズムよりもまずは軽症者受入施設の確保では?」という意見もあるかもしれないですが、都全体で計算すると客室数はなんと2月時点で18万室以上(上記の八重の翠などはまだ計算に入っていません)。
軽症者受入れに必要とされる客室数とは桁違いのキャパシティがあるようです。逆に都内18万の客室がすべて軽症者用施設になるような状況だと、もはや経済云々を言っていられる状況ではないでしょうしね。。
2)お店の淘汰も
マイクロツーリズムの対象となるお客様は地元在住の人たちなので、得体のしれない東京名物を法外な価格で勧めてもおそらく見向きもされません。土産物に限らず、飲食についても同じですね。
ですので、コロナ前にインバウンド客などの「一見(いちげん)さん」を主なターゲットにして、素人を煙に巻くような商売をしていた店は淘汰されてしまうでしょう。
経済効果的にはそういう店も生き残っていたほうが良いのかもしれませんが、何度も来て下さるお客様に支持され続けるサービスを提供する店が生き残り、増えていくことは、誰にとっても望ましいことですよね。