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【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です。
先日新型コロナウイルス感染症対策を講じ、密を避け、食事はテイクアウトに、移動は車に限定したうえで岩手県に行ってきました。
前回の記事でご紹介した石川啄木生誕の地 常光寺の他に、もう少し彼の足跡を辿ってみました。

まずは、啄木新婚の家
結婚式の日に家に帰ってこないなど困ったエピソードもありますが、こちらは盛岡市内に残る唯一の啄木遺跡。
この家は武家屋敷で、啄木と妻 節子の部屋では刀を振り回せないよう天井高が他の部屋と比べて明らかに低く、天井裏には隠し部屋があります。
現在このような武家屋敷は盛岡市内に1軒しかないとのこと。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


そんな家の入口には、見頃を迎えた紅葉や青々とした立派な柳などが植えられています。
もしやと思って柳を確認すると、銀座の柳三世でした!
啄木が銀座6丁目にあった朝日新聞社で働いていたという縁から、2002年に銀座の商店会から盛岡市長に寄贈されたものなのです。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


1968年、銀座通り整備のために姿を消した銀座の柳は、枝を挿木することで二世、さらにその挿木が三世となり「命」を繋ぎました。
自分よりも長く生きている柳ですが、こうして行く先々で青々とした銀座の柳を見ると、子の成長を見守る親のように嬉しい気持ちになります。

続いて訪れたのは、「もりおか啄木・賢治青春館」
盛岡で青春期の10年を過ごした彼らに関する展示が楽しめる文化施設です。
ご覧の通り、建物のそばに柳が植えられています。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


もしかしてと気になって近づいてみると、案内板には「銀座の柳二世」「銀座の煉瓦」の文字が。
なんと、こちらも銀座の商店会から盛岡市長に寄贈された柳であることが判明。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


銀座の煉瓦はこちらでしょうか。
苔むしていますが、それがまた歴史を物語っているようで味があります。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


『一握の砂』に収められている啄木の歌、「春の雪 銀座の裏の三階の煉瓦達に やはらかに降る」もここで初めて知りました。
銀座で雪を眺めた彼は、故郷岩手を思い出したことでしょう。

 【遠足シリーズ第27弾】銀座の柳~石川啄木がつないだ縁~


今回は図らずしも銀座の柳二世、三世に出会うことができました。
不定期になりますが、引き続き区外で見つけた中央区関連のヒト・モノ・コトをご紹介していければと思います。


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