茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ①
~ 大栄稲荷神社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をアカウンタビリティーを持って取材します、rosemary sea です。
「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」シリーズ終了に続きまして、新たに「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり」シリーズをスタートさせていただきます。
このシリーズはそのまま「まち歩きコース」として順にめぐることができるように考案させていただきました。
ロズマリ考案
「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり」とは・・・
茅場町駅 出入口4b
① 大栄稲荷神社
② 新川大神宮
※(③ 渡海稲荷神社【とかいいなりじんじゃ】)
④ 新川金刀比羅神社
⑤ 於岩稲荷田宮神社【おいわいなりたみやじんじゃ】
⑥ 徳船稲荷神社【とくふねいなりじんじゃ】
⑦ 鉄砲洲稲荷神社【てっぽうずいなりじんじゃ】
⑧ 日比谷稲荷神社
⑨ 今村幸稲荷神社【いまむらさいわいじんじゃ】
⑩ 八丁堀天祖神社【はっちょうぼりてんそじんじゃ】
⑪ 鳥居稲荷神社 ※
⑫ 純子稲荷神社 ※
八丁堀駅 A3出口 または 茅場町駅 出入口3
※ ③の「渡海稲荷神社」は実際は見ることができません。
「渡海稲荷神社跡」と申し上げるべきと思慮します。
⑪の「鳥居稲荷神社」は「日本橋・茅場町駅から行ける、静かな佇まいの神社」②にて、⑫の「純子稲荷神社」は「日本橋・茅場町駅から行ける、静かな佇まいの神社」③にて、既にご紹介済です。
既にご紹介済の⑪・⑫を除き、これらのスポットを1か所ずつ順にご案内させていただきます。
今回は、このシリーズ第1回としまして、大栄稲荷神社(だいえいいなりじんじゃ)をご紹介します。
それでは・・・
霊岸島に入ったすぐ左手にある神社ですが、江戸時代に、埋め立てられたばかりのその霊岸島の鎮守神として勧請されました。
富くじを出すなど、江戸時代はかなり賑わってようですが、火災や関東大震災、区画整理などで次第に縮小され、現在に至っています。
なお、勧請された年は不明ですが、霊岸島が埋め立てられたのが明和4年(1768年)ですから、その年かその直後の勧請でしょうね。
手水鉢には「千組(せんぐみ)」と彫られています。
新川に、江戸町火消しの第1区2番組千組が置かれていたそうです。
※ 江戸の町火消しは「いろは47組(のちに48組)」なのに「へ」や「ら」、「ひ」・「ん」は省かれていました。
代わりに「百」・「千」・「万」・「本」の字が充てられていました。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第28回の今回は、大栄稲荷神社の「大」つながりで、「大工調べ(だいくしらべ)」をご紹介します。
<事前確認コーナー>
〇 質屋営業
江戸の昔、質屋を営業するには「質株」という権利を持っていないといけませんでした。
これなしで質物を預かることは違法とされていました。
〇 大工の手間賃
江戸の大工の手間賃はせいぜい5匁(もんめ)が相場でした。
ここで「十匁」となったのは、かなり上乗せされた状況と考えられます。
〇 最後の「オチ」は・・・
「細工は流々仕上げを御覧じろ(さいくはりゅうりゅうしあげをごろうじろ)」にかけたものです。
昔の職人が、何かとうるさい注文主に対して言う言葉。
「心配しないでも工夫をこらしているから、結果が出るまで黙って見ていなさい」ということ。
「大工調べ」
大工の与太郎は、家賃を滞納したことで、大家に道具箱を持っていかれてしまいます。
溜めた家賃は1両と8百文。
大工の棟梁は、1両を与太郎に持たせましたが、大家はまけてくれません。
棟梁は奉行所へ願い出ます。
お白洲で、お奉行からは、残りの8百文を家主に渡すように、と。
棟梁は更に8百を与太郎へ、そして家主へ。
お奉行「ところで大家、その方「質株」を持っておろうな? 持っておらん? 本来は重い刑に処するところであるが・・・」
「その分手当をしてつかわせ、棟梁、与太郎の手間賃はいくらだ?」
「日に十匁」
「すると20日で2百匁、金子で3両2分、大家、与太郎に与えよ、これで一件落着」
「1両と8百で、3両2分とは、儲かったな、さすが大工は棟梁(細工は流々)」
棟梁「へい、調べをごろうじろ(仕上げを御覧じろ)」
近くのお薦めスポット
霊岸橋(れいがんばし)
<亀島川にかかる 江戸時代創架の橋>
新川一帯は、かつて葦(あし)の生い茂る低湿地帯だった。
寛永元年(1624年)に埋め立てられ、霊巌寺(れいがんじ)が建立されたことから「霊岸島(れいがんじま)」という名称がついたといわれる。
橋の創架は江戸時代初期で、現在の橋は昭和60年(1985年)に架け替えられた。
ー 「歩いてわかる 中央区ものしり百科」より ー
大栄稲荷神社
新川1-2-14
東京メトロ東西線・日比谷線 茅場町駅 出入口4bを出てそのまま永代通り左側を直進。
霊岸橋を渡り、すぐに左折。
すぐまた次を右折すると20m先左側にあります。