茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ④
~ 新川金刀比羅神社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をクラシカル・テクニックで取材します、rosemary sea です。
「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり」シリーズ、第4回の今回は、新川金刀比羅神社(しんかわことひらじんじゃ)をご紹介します。
それでは・・・
江戸後期、天保年間、讃岐本営より武蔵国の山岡吉右衛門の邸内社として勧請された、といわれています。
明治8年(1875年)に当地に遷座されたようです。
いわゆる「霊岸島のこんぴらさん」ですね。
次にご紹介予定の「於岩稲荷田宮神社(おいわいなりたみやじんじゃ)」とは、とても近くです。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第31回になりました。
今回は、「刀屋(かたなや)」をご紹介します。
<事前確認コーナー>
刀屋・・・
「おせつ徳三郎」という噺の「下」とされています。
「上」は「花見小僧(はなみこぞう)」というお題ですが、いずれご紹介の運びとなるかもしれません。
日本橋村松町・・・
現在の中央区東日本橋1丁目。
深川佐賀町・・・
現在の江東区にありまして、中央区からは橋を渡った先、隣町です。
お材木(お題目)で助かった・・・
このオチは昨年12月22日掲載の「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」NO.30 中の第22回「鰍沢(かじかざわ)」でのオチと全く一緒です。
「刀屋」
大店のお嬢さんのおせつがお婿さんをとる、と聞いた徳三郎、お店に奉公していた時は、おせつとは将来を約束した仲でした。
婿とりに、おせつの心を疑心暗鬼、おせつを殺して自分も死のう、と、思い詰めます。
刀屋が並ぶ日本橋村松町へ、そして一軒の刀屋へ。
切れる刀は欲しいが値段が高いと無理、二人だけ切れれば良い、との注文を聞くと、刀屋は事の裏を察します。
刀屋「大きなお世話だが、ご相談にも乗りますよ。」
友だちの話にすりかえて、徳三郎「実は友だちが奉公先のお嬢さんといい仲になって・・・、お嬢さんが今日婿とりをするので、友だちは婚礼の席へ斬り込んで・・・、それを手伝おうと」
刀屋「それでは『主人殺し』ということになりますよ、それよりも両国橋から『入水(じゅすい)』という方法は?通りかかったお嬢さんが遺体を見つけて『お前ひとりを死なせはせぬ』と、後追いで飛び込む、悲恋の心中と浮き名が立って、粋です」・・・ほとんどからかっています。
そこへ迷子捜しの一行がやってきます。
「家から足袋裸足で逃げ出した、十八のお嬢さんが迷子になった」と。
おせつさんのこととわかった徳三郎は、店から出て新大橋を渡り深川佐賀町まで来ると、人とぶつかり、それがおせつさんでした。
「迷子や~い、迷子や~い」の声に追われ、二人は仙台堀から木場あたりへ。
そこで手に手をとり「南無妙法蓮華経」とお題目もろとも橋の上から身投げしましたが、・・・落ちたところはいかだの上。
徳三郎「おや、死ねない」
おせつ「ああ、お材木(お題目)で助かった」
新川金刀比羅神社
新川2-15-14
(渡海稲荷神社【跡】より)
永代橋から続く「鍛治橋通り」まで出て左へ、約280m先を左折、約80m左側にあります。