茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ⑤
~ 於岩稲荷田宮神社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をゴールデン・ルールとして取材します、rosemary sea です。
「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり」シリーズ、第5回の今回は、於岩稲荷田宮神社(おいわいなりたみやじんじゃ)をご紹介します。
それでは・・・
於岩稲荷田宮神社は、4代目鶴屋南北の戯曲で、文政8年(1825年)に初演された「東海道四谷怪談」の主人公、お岩の伝承を持つ神社です。
社地は歌舞伎俳優の初代市川左団次の所有地であったと伝えられ、花柳界は歌舞伎関係などの人々の参詣で賑わいました。
境内の本殿横にある石造の鳥居は、明治30年(1897年)1月に造立されました。
花崗岩製のこの鳥居は、中央区に存する中では2番目に古い鳥居です。
鳥居の形式は「神明鳥居」に属し、柱下部には断面が花形の根巻と四角い台座が付いています。
鳥居の奥にある「百度石」は民間信仰である「お百度参り」のための石塔です。
中央区内に現存する百度石のうちでは最古のものです。
左側面には「大坂浪花座興行記念 4代目市川右団次と刻しており、市川右団次がお岩の上演を記念して奉納したものです。
戦前・戦後を経て、現在もこのお百度石でお百度参りを祈願する人も少なくなく、庶民の信仰とともに生きています。
鳥居・百度石は共に中央区民有形文化財に登録されています。
・・・ここまで「中央区教育委員会 説明版」より・・・
百度石の更に右側には、境内社の白狐社(びゃっこしゃ:狐塚)が鎮座しています。
大正期、当社造営の際に地業を行いました江戸鳶・町火消第一区十番組の組頭 村田竹次郎氏の顕彰碑が、社と向い合せの位置に建てられています。
すぐ裏の区画には、1つ前の立ち寄りポイント・「新川金刀比羅神社」があります。
白狐社の位置から15mほどです。
ただ、区画を一回りしませんと行くことはできません。
ここ、於岩稲荷田宮神社は、ロズマリにとって思い出深いスポットです。
5年半前、中央区観光検定第8回受検に備え、「歩いてわかる 中央区ものしり百科」に載っていますスポットを全踏破した際の、最終スポットと記憶しています。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第32回となりました。
今回は、「幽霊」つながりで噺をチョイスすることとしましたが、そのままの「四谷怪談」や、有名な「皿屋敷」では趣きがないと思慮し、「へっつい幽霊」をご紹介することとなりました。
<事前確認コーナー>
へっつい・・・
土間に置いて煮炊きをする竈(かまど)のこと。
「へっつい幽霊」
道具屋の商品のへっついは、3両で売れてもその客がすぐに「引き取ってくれ」と言ってきます。
1両50銭で引き取り3両の値をつけるとまたすぐに売れる、そしてまた「引き取ってくれ」と戻ってきます。
客に訳を聞くと、幽霊が出るから、とのこと。
とうとう1両をつけて誰かにもらってもらおう、ということになりまして、八五郎のもとへ・・・。
出てきた幽霊が語るには・・・
左官をなりわいとしていたが、博打で手に入れた100両をへっついに塗り込め、フグ鍋をつついていたら、このフグにも大当たりでころり、その金に未練あり、とのこと。
幽霊と交渉の末、八五郎、へっつい壊し賃50両で手を打ち、へっついから100両を発見。
そこから二人は博打をはじめます、なぜか八五郎が勝ち続け、・・・。
幽霊「もう一丁お願いします」
八五郎「幽霊、お前の方はもう銭がないじゃないか」
幽霊「いえ、幽霊ですから、足は出しません」
於岩稲荷田宮神社
新川2-25-11
前スポット・新川金刀比羅神社からは徒歩1分です。
こんぴらさんの鳥居を背にすると、於岩稲荷田宮神社が見えます。
区画を、右からでも左からでも、半周してください。