Silver Fox 007

江戸のジャンヌ・ルイーズ

コロナ禍なかなか長引き、ニューヨークでのマスクなし映像を見るたびに、銀座にも早くこのような光景が戻ってほしいと思う今日この頃。いましばらくの辛抱、皆様には油断ない対策でお過ごしでしょうか。

梅雨入り前の晴れた午後、用事でカトリック築地教会聖堂の前を通りかかりました。何気なく門内に顔を向けると、改装が終わって切妻壁のバラとチューリップの白さがまぶしいです。聖堂の扉が半分開いており、手招きされるかのように敷地内へ。

改装前には気づかなかった・・・

改装前には気づかなかった・・・ 江戸のジャンヌ・ルイーズ

しばらくの間、聖堂は改装工事のために覆われていましたね。改装前から聖堂の入口に像なんてあったかしら?と思いつつ近寄っていきました。キリストの十二使徒のひとり、聖ペテロ像とのこと。銘文(の説明)を読むと、1878年に他の3人の聖人像と共に聖堂の内陣柱頭に取り付けられた、とあります。1923年の関東大震災で聖堂が焼失し、この聖ペテロ像だけが残ったとあり、この大きさから察するとさぞ立派な聖堂だったのだろうと思いました。

関東大震災によって、居留地一体が焼野原、建物の残骸だけになった写真を見たことがあります。この聖ペテロ像は、その中で残っていたのだと思うと感無量。聖堂内には黙想している方がおられ、お邪魔をしないよう、入口からステンドグラスのある正面などを拝見。静寂に心が落ち着きます。

そしてジャンヌ・ルイーズ

そしてジャンヌ・ルイーズ 江戸のジャンヌ・ルイーズ

中央区観光検定の公式テキスト「歩いてわかる中央区ものしり百科」でカトリック築地教会を調べると、聖堂内に1876年にフランスで鋳造された銅製洋鐘(通称:江戸のジャンヌ・ルイーズ)があると書かれています。ずっと見たいと思っていたのですよ。でも、聖堂内にはそんな気配なく、神父様の準備室から鐘を鳴らす構造になっているのかなぁ、などと思いつつ、聖堂を出て門に向かうとその門脇に彼女はいました! 道路からも見える位置に!

2020年10月発行の同書の記述には堂内に、とありますので、改装に伴ってここが居場所となったのでしょうか。あまりにも思いがけない出現だったので、街中でアイドルに会ったような感じ(笑)。由来や刻まれている文字の説明もまだ新しいような気がします。

私がブログをさぼっている間に特派員のどなたかがすでに書かれたかもしれないけれど、アイドルに出会ったら言いふらしたくなりますよね、そう思って勘弁してください。カトリック築地教会の聖ペテロ像とジャンヌ・ルイーズ、二大アイドル(神様、不謹慎だってお怒りにならないでください)の予感です。

ついでに・・・

コロナ対策で自粛中、お気に入りの俳優さんたちが出ている数年前のテレビドラマの再放送を見ていました。ドラマのなかで一瞬映るシーンに、「あ!カトリック築地教会のバラとチューリップの切妻壁!」、「暁橋の公園のベンチでの会話、背景は聖路加国際大学の壁」、「あれまぁ聖路加のチャペルの塔はよその教会という設定だよ」、「隅田川べりから勝鬨橋は定番なんだね~、月島川の運河ぞいもいいよね」なんて、観光検定の写真問題を解くがごとし。

皆様、いかがですか?ドラマで中央区めぐり。