8回連続で日本一になるということ
ふくしまの酒が、「全国新酒鑑評会」において、8回連続で金賞受賞数日本一を達成した。
特に成績が優秀と認められた「金賞酒」。その受賞数17銘柄は、都道府県別で長野県と並び最高となった。
全国規模で行われる、唯一の清酒鑑評会。
酒造年度2012年から2020年度にかけての8連覇である。
2019年度は新型コロナウイルスの影響で、最終審査(決審)が中止となり、金賞の選定は行われなかった。
酒造年度とは、7月1日から翌年6月30日までをいう。
BY(Brewery Year)。
酒造業界においては、生産計画や醸造の年度の区切りとして用いられている。
令和2酒造年度全国鑑評会の結果が発表されたのは、5月21日。
福島県のアンテナショップである、日本橋室町四丁目の日本橋ふくしま館は、きっと盛り上がっているだろうとホームページを見ると、なんということ。
緊急事態宣が出され更に延長されたことで、休館が続いていたのだ。
6月に入ってからの開館。
期待通り、店舗の入口に広報スペースが設けられ、嬉しい結果をお披露目していた。
私が訪ねたとき、JRLふるさと応援隊のCAさん達が、サクランボなどの旬の果物のピーアールに来ていた。
店内には、いつもと違う飛び抜けた華やかさがあった。
私が声をかける厚かましさを持ち合わせていたのなら、CAさんの活躍している姿を掲載できたのだが・・。
地元でも手に入りにくい一本が
ふくしま館「ミデッテ」の魅力の一つは、東京にいながら、福島県内の多くの銘柄を手にすることができることだ。
「最高評価の金賞酒は、旨い酒なのか」という問いは、何時もつきまとう。
敢えて出品しない蔵元もある。
個性が強い酒は、この鑑評会では受賞できないとの声もある。
鑑評会の目的は、全国的に醸造技術を調査研究し、品質と製造技術の向上を図り、清酒の認識を高めること。
出品酒には、酒蔵の渾身の醸造技術が込められている。
規定を確実にクリアできる技術を持った蔵元ならばこそ、個性のある魅力的な酒を生み出す事もできるのだ。
ふくしまが一体となって醸造研究を深め、技術を競い合い、相互に高め合ってきた。
震災をはじめとする幾多の自然災害を乗り越えるべく行動を起こした、ふくしまプライドだ。
幸せを運ぶ「赤べこ」の出番です
店内に会津地方の代表的な郷土玩具の「赤べこ」がいた。
子供の魔除け厄除けとして、幸せを運ぶ、張り子人形である。
由来は諸説あるが、天然痘から子供を守るご利益があったとも言われる。
赤べこさん、今が力を発揮する時ですよ。
頑張って!
今日の一盃は。
私が少年時代を過ごしたのは、福島県の城下町。
飯豊連山の伏流水が豊かに湧き出る、四季の移ろいが鮮やかな地域だった。
家と学校との間に、酒蔵があった。
通学の朝、蔵から流れ出る芳醇な香りに、我知らず心地よくなった。
繁忙期にお手伝いにいった母が、酒粕を土産に持ってくることがあり、粕漬けにした野菜がとても美味しかった。
酒の旨さは、合わせる料理や酒器によっても、変化するものである。
誰と、どの様なシュチエーションで飲むかによっても、変わる。
もっとも、ここ10年あまりの間に、日本酒そのものが格段に旨くなったと思う。
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された『和食』。
和食を華やかに彩る『ニホンシュ』が、世界から認められている。