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2021 中秋の名月(十五夜)

 2021 中秋の名月(十五夜)

 今年は9月21日が旧暦8月15日に当たり、"中秋の名月(十五夜)"。この時期は、空気が澄んで晴れ渡った夜空に、ちょうど見上げるのに適した角度に月が上り、季節的にも過ごしやすく、月を愛でるに最適のシーズンとされます。                 月の満ち欠けの周期は一定でないため、十五夜は必ずしも満月になるとは限りませんが、今年は8年ぶりに満月が楽しめます。   ”お月見” は、平安貴族が、十五夜を中秋節として祝う中国の観月の慣習を取り入れた風流な詩歌管弦の宴が端緒で、その流れが庶民に広がると、古くからの秋の実りに感謝する農耕儀礼と一体化し、次第に後者の色合いを深め定着したと伝わります。        日本橋川が隅田川に注ぐ河口に架設された豊海橋。       シンプルなデザインの中に古い鋲止形式を残し、重量感のある ”フィーレンディール橋” と呼称される形式名の鉄骨橋梁ですが、2019年に補修·改良工事を終え、夜間は装い新たにライトアップされ、フィーレンディールトラス部の白と欄干部の青が映えます。    橋梁鉄骨の間から真ん丸な "お月様" が顔をのぞかせています。                  永井荷風は "断腸亭日乗" で、「豊海橋鉄骨の間より斜めに永代橋と佐賀町辺の燈火を見渡す景色。今宵は明月の光を得て白夜に見るよりも稍画趣あり。満々たる暮潮は月光をあびてきらきら輝き、橋下の石垣または繋がれたる運送船の舷を打つ水の音亦趣あり。」と記しています。