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【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ


こんにちは。アクティブな活動は休止中のHanes(ハネス)です。
前回の遠足シリーズで予告した通り、今回は「鳩」をキーワードに中央区を深掘りしたいと思います!

トップの写真でネタバレしてしまいましたが、今回焦点を当てるのは鳩居堂
中央区銀座にある鳩居堂東京本店は、お香、書画用品、はがき、便箋、金封、和紙製品の専門店。
質の高い商品を取り揃えていることから、私も何度か利用したことがあります。

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ

(午前6時台、鳩居堂東京本店開店前の様子)


今や老舗として多くの人から親しまれているこちらのお店ですが、1880年(明治13年)に開業しました。
この開業年は、入口右上の石に刻まれています。

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ


しかし、入口左上に見られる石をよく見ると、そこには1663と刻まれているではありませんか!
この数字が年号だとしても、開業より200年以上早いですよね。
これはいったい何を意味するのでしょうか?

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ


その答えは、なんと京都にありました。
「鳩居堂の歴史」によると、熊谷直心(くまがいじきしん)が京都寺町の本能寺門前にて薬種商「鳩居堂」を始めたのが1663年
後に、宮中の御用を勤める必要から銀座に出張所が設けられました。

つまり、鳩居堂東京本店の入口上部には、鳩居堂そのものの開業年と、東京本店の開業年の両方が刻まれているのです!

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ

(午前8時台の寺町商店街、鳩居堂本店(左側)開店前の様子)


そして、鳩居堂の屋号ですが、公式ウェブサイトによると、『詩経』の召南の篇にある「維鵲有巣、維鳩居之」に由来するそうです。
カササギの巣に託卵する鳩に、「店はお客様のもの」という謙譲の意が込められているのだとか。

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ


その屋号を命名したのは、『赤穂義人録』の著者として知られる儒学者・室鳩巣(むろきゅうそう)。
鳩居堂を開業した熊谷家の家紋の「向かい鳩」と室鳩巣の雅号もまた屋号の由来となっています。

これまで鳩居堂の屋号について深く考えたことはありませんでした。
しかし、こうして調べてみることで、予想以上に奥が深いと分かり、お店に対する創業者の想いまで知ることができました。
気になったことはそのままにせず、調べてみる価値がありますね。

鳩居堂創業者の先祖と中央区

鳩居堂の創業者熊谷直心ですが、実は一ノ谷の戦いで平敦盛を討ちとったことで知られる熊谷直実から数えて20代目にあたります。
中央区は主に江戸時代以降に整備され、栄えた都市ではありますが、中央区内に熊谷直実にまつわる場所があるのです。
それが、銀座八官神社巡りのコースにも含まれる熊谷稲荷神社

なんでも、一ノ谷の戦い後、彼が鎌倉から郷里の埼玉県熊谷市に凱旋する際に、この地に護符の神札を授けたというのです。
後に戦火を逃れ、今でも防火・開運・商売繁盛の神様として親しまれています。

今回、鳩居堂の開業に遡ることで、思いがけない発見がありました。
他にもこのような発見はないかと、ますます特派員活動に身が入ります。

 【遠足シリーズ第33弾】熊谷直実に通じる!?鳩居堂あれこれ


神社の詳細は、先輩特派員桜やよいさんの記事「念願が叶い、熊谷稲荷神社が八丁神社巡りに12社目入り!」および「地図から消えてしまった800年以上の歴史ある熊谷稲荷神社が3月2日に銀座7丁目花椿通りにお帰りになりました!」をご覧ください。

現在放送中の大河ドラマは、源氏・平氏が活躍した時代も舞台となっています。
ぜひ「中世に思いを馳せる中央区内の源氏・平氏関連スポット」も合わせてご覧ください。