桜やよい

三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

コロナの影響で減少した私の大好きなアンテナショップ三重テラスのイベントをご紹介するチャンスを待っていました。ー1840天保11年創業「すかや呉服店」180周年記念展11月21~23日開催ーの三重応援団メールが届きました。

普段は着物を着ない私ですが、着物や着物を着ている人を見ることは大好きです。早速心もワクワクしながら2階ギャラリーに足を踏み入れてすぐに「御山杉染め」と表示された着物が目に飛び込んできました。

そこから、会場案内の井上やよいさんに丁寧にご案内していただき、最後に名刺を交換して私のブログネーム桜やよいと名前が一緒だとわかりました。何という偶然でしょう。不思議な縁を感じました。

 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

御山杉(みやますぎ)染めは伊勢神宮の杜の樹齢500年以上の杉木を指し、全国の中でも幻の最高級品と言われています。伐採が許されていない為、自然災害で朽ちた杉のみが、ごく稀に民間の市場へ出回ることを許される神からの賜り物です。この稀有な御山杉を植物染料として下染めの原料として使用した着物だそうです。

御山杉の御神木には悠久の時の流れと人々の祈りが魂として宿り、私たちに喜びと幸せと生きる力をもたらしているのではないかと神秘性を感じます。

すかや呉服店は三重県「伝統産業の新たな魅力創出事業」に選出されたそうです。

素晴らしいSDGsです。着物からも御山杉のパワーを心なしか感じることができました。

伊勢木綿は伊勢型紙の文様が醸し出す伝統の柄が魅力

伊勢木綿は伊勢型紙の文様が醸し出す伝統の柄が魅力 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ
 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

三重が伊勢の国と呼ばれ、温暖な気候に合った良質な木綿の一大産地でした。

江戸時代から250年余りの歴史が培ってきた繊細な織物です。

撚りが弱く切れやすい糸を澱粉糊で固め、慎重にゆっくり上げていくいく伊勢木綿は、布として織り上げるとしっとりと強くなります。1本1本の糸が繊細なために、着れば着るほどしなやかな風合いになることが特徴です。

伊勢木綿はシワになりにくく、保温性や通気性にも優れています。

しかし、織元が津市の一身田の臼井織布株式会社1社のみとなり、伊勢木綿は希少になっているそうです。臼井社長は自動織機を使い自らが部品をこまめに手直ししながら、効率よりも品質に重きを置きいて心を込めた織布作りを心がけていらっしゃいます。

柔らかい伊勢木綿を「注染(ちゅうせん)の技法」で染め上げ、優しい肌触りが特徴です。注染は機械染めではなく、職人の手作業で全行程を行う染織技術です。型紙を生地の上に置き、糊を付け染料を注ぎ込む技法からその名前が付けられました。

色の濃淡やぼかしなど、手作業ならではの味わいが表現でき、裏表の区別がつかないシンメトリーに仕上がりになるのが特徴です。にじみや揺らぎなどの独特の風合いが楽しめる一点物の価値を感じることができます。

使い込む程に風合いが良くなり、長年に渡ってご使用できるそうです。

すかや呉服店が伝統を守りつつ、三重の郷土工芸の伝承と発展に繋がると考え、新しい視点も加えてプロデュースをしているそうです。

 

着物文化を未来に繋げる若手作家とのコラボ作品を生み出すチャレンジ!

着物文化を未来に繋げる若手作家とのコラボ作品を生み出すチャレンジ! 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ
 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ
 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

すかや染物店の積極的な発信の原動力は、着物文化の本質的な価値をより一層高めたいという熱意が感じられました。

森尻春司さんの作品は手書きの淡い色合いと斬新なデザインに心を惹かれました。このように若い感性の人たちが未来へと着物文化を強く発信していく必要があります。

着物文化に興味をもって若い職人さんが素晴らしい才能を発揮しながら、古典の技法も取り入れた新しいジャンルを切開いてくださることに期待しています。

着物の型の原点として伊勢型紙があってこそ、グレードアップする着物!

着物の型の原点として伊勢型紙があってこそ、グレードアップする着物! 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ
 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ
 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

1,000年以上の歴史を誇る職人技術に裏付けされた伊勢型紙(染め型紙)から柄や模様を染められた生地には、職人の手のぬくもりが息づいています。

江戸時代の大名が他の藩と区別するために、自分の藩の小紋柄を決めるようになり、型紙が侍の裃などに使われるようになったため、一挙に伊勢型紙が全国に広がったようです。

熟練の職人技が必要とされる貴重な伝統文化であるため、昭和27年に国の無形文化財に指定され、昭和58年に通産省の伝統的工芸用具にも指定されています。現在でも約99%が鈴鹿市白子地区で生産されていますが、後継者の減少が危惧されている大変貴重な技術です。

 三重テラスで180周年記念展「すかや呉服店」着物文化を未来へ

昨今、コロナ以前は若い世代に、花火大会での浴衣ブームに火が付きました。老若男女問わず、浴衣姿に花火も映えて今年のはやりの浴衣の柄はと毎年楽しみに心もウキウキ見ていました。

「日本橋キモノパスポート」(2021.4.3-2022.3.31有効)が毎年、発行されています。日本橋でも着物で入店するとお得な割引が使える特典がいっぱい用意されています。本当にお得ですよ!

浴衣の次にカジュアルな着物として、伊勢木綿を着てほしいとお薦めします。すかや呉服店では仕立て代を含めて、約50,000円ぐらいでリーズナブルな価格だそうです。

すかや呉服店https://sukayagohukuten.wixsite.com/webshop

web来店で購入できます。是非、着物や小物(ポーチ・お財布・肩掛けポシェット・手拭い)などの伊勢木綿の心地良い味わいを生活の中に取り入れてみてください。