2022 木漏れ陽浴びる「紫蘭」の群生
天高く抜けるような青空が広がり、浅緑色の若葉の爽やかな香りを運んでくるかのような清々しい新緑の5月。 この季節、草木の緑が匂ってくる風情を「風薫る」、その風を「薫風」、草木を吹き抜ける心地よい風は「緑風」と名付けられ、緑は徐々に深みを増し、濃淡さまざまなグラデーションを見せる中、隅田川テラス、水辺のそぞろ歩きは心安らぐひと時です。 「五月晴れ」とは、もともと陰暦5月の五月雨(梅雨)の晴れ間をいったようですが、新しい暦の中で、今日、5月の晴れ渡った空を指すようになったとされます。 隅田川中央大橋下流左岸に沿った佃公園では、群生する紫蘭(シラン)が咲き揃い始めました。シランはラン科の多年草。ラン科の中では珍しく半日陰から日向まで適応し、鉢植え、露地植え双方が楽しめ、比較的丈夫で育て易い品種とされ、入門用ランとしても親しまれています。 春先、基部の卵形状の「偽球茎(バルブ)」と呼ばれる水分や養分の貯蔵組織から、披針形の葉を伸ばし、GW前後に、花茎の先に、径約3cmの紅紫色の花を、俯き加減に数輪付けます。6枚の花弁(外花被片3、内花被片3)の内、内花被片は側花弁と特徴的な形状の唇弁で構成されます。最近では、色変わり、変化花も多く作出され、種からも増やし易いため、新種の交配育種も盛んに行われていると聞きます。