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没後50年「鏑木清方」展 中央区ゆかりの美人画

没後50年 鏑木清方展」が5月8日まで東京国立近代美術館で開催されています。先日、見に行きました。美人画で有名な清方ですが、中央区にとてもゆかりの深い画家です。神田に生まれ、7歳から17歳と23歳から28歳まで木挽町、28歳から6年間を浜町で暮らし、その作品には清方が暮らした町、明治の東京の様子や風俗が描かれています。

 没後50年「鏑木清方」展 中央区ゆかりの美人画

44年にわたり行方不明となり2018年に発見された幻の美人画「築地明石町」と「新富町」「浜町河岸」を合わせた美人画三部作は、2019年以来3年ぶりの公開です。こちらも必見です。

高さ174×幅74cmもあるとても大きな絵ですが、瞳、眉、口など顔の各部分、髪の毛、着物や小物、背景まで細かくとても丁寧に描かれていて、ずっと見ていても飽きません。

 

※「築地明石町」と三部作については、yazさんのブログで詳しく紹介されており参考になります。

中央区観光協会特派員ブログ:鏑木清方_幻の《築地明石町》特別公開at東京国立近代美術館

歌川国芳「玄冶店派」の流れを汲む

歌川国芳「玄冶店派」の流れを汲む 没後50年「鏑木清方」展 中央区ゆかりの美人画

江戸の浮世絵師「歌川国芳」も中央区にゆかりの人物です。暗闇から顔を出す巨大な骸骨「相馬の古内裏」を初め「武者絵の国芳」として知られ、ユーモラスで大胆奇抜な作品を多く残しました。北斎や広重とともに今も人気の浮世絵師の一人です。

国芳は日本橋生まれのちゃきちゃきの江戸っ子、現在の人形町にあった玄冶店に住んでいたことから、国芳の一門は「玄冶店派」と呼ばれていました。「玄冶店派」の一人で国芳の弟子には「最後の浮世絵師」と呼ばれた「月岡芳年」がいます。その弟子が「水野年方」です。

鏑木清方は、13歳の時に「水野年方」に弟子入りしています。美人画の巨匠、鏑木清方が浮世絵師の歌川国芳の流れを汲んでいるって想像がつきませんが、国芳からから月岡芳年、水野年方、そして鏑木清方へと「玄冶店派」の系図が続いています。

浮世絵は明治期に入ると衰退してしまいますが、国芳の「玄冶店派」の画風や伝統は、日本画・洋画として、明治・大正、そして現代へと受け継がれているのですね。

「没後50年 鏑木清方展」、お勧めです。

没後50年 鏑木清方展

没後50年 鏑木清方展 没後50年「鏑木清方」展 中央区ゆかりの美人画

場所:東京国立近代美術館

期間:2022年3月18日~5月8日

ホームページ:https://kiyokata2022.jp/

出典:「築地明石町」と美人画三部作の絵は「没後50年 鏑木清方展」パンフレット及び便箋より掲載しました。