京橋図書館ありがとう
こんにちは、湊っ子ちゃんです。
中央区立京橋図書館は、2022年9月1日(木)から12月3日(土)まで一時休館となり、12月4日(日)より、「本の森ちゅうおう」として、新しく生まれ変わります。
それぞれの人の心に、たくさんの思い出を残してくれた中央区立京橋図書館。
今日は、そんな京橋図書館の歴史と、わたしの思い出を振り返ってみたいと思います。
中央区立京橋図書館は、明治43年8月、東京市立図書館として設立認可されました。はじめは、京橋尋常小学校内に設けられた、東京市立京橋簡易図書館としての始まりだったそうです。
いまの場所、中央区築地1-1-1に移転したのは昭和4年で、戦災を免れたことにより、昭和20年より前に出版された貴重な本を多く蔵書していることが特徴です。
もうひとつの特徴といえば、地域資料室があります。
中央区はもちろん、東京23区や多摩地域に関する資料、東京の河川や建物、江戸にまつわる本なども充実しています。中央区の刊行物、文化財調査報告書などはもちろん、地域で発行しているタウン誌や、町会誌、地域の方々の思い出や町のようすを記録した文集など、興味深い資料がたくさんあります。
地域資料室へおりてゆく階段が、わたしは好きでした。
今の建物になったのは、昭和44年で、佐藤武夫氏の設計です。「京橋図書館」の「図」の文字の後ろに、いつかすずめが巣を作っていましたっけ・・・。
図書館まえのサンクン・ガーデンの花たちは、訪れる人を笑顔にさせてくれますね。
入り口近くにたつ掲示板には、手作りの展示コーナーがあり、毎回、テーマごとに昔の写真や浮世絵などが飾られています。中央区観光検定が近くなると、目をこらしながら眺めていました!
閲覧室に飾られた絵画、学習机のそばの柱の、手作りのミニコーナー、区のお知らせのパンフレットや、配布物を頭にのせた、背の低い本棚と、お家の形をした手作りのボックス。
地域資料室に通じる階段のうえの、いろ紙の文字。壁に張られた切絵図には、川のところが青いペンで丁寧に塗られていたり…。
ふとしたところに、あたたかな表情をみせてくれる京橋図書館。
職員さんからのメッセージのなかに、地下の閉架で作業をしていると、地下鉄の音がきこえます、というフレイズがありました。見たことも行ったこともない閉架の景色が、目のまえに広がるような気がしました。わたしのなかで、閉架は憧れです。
中央区まるごとミュージアムで、見学ツアーがありましたね。残念ながら、参加できずじまいでしたが、憧れは、そのままとっておきたいと思います。
いま京橋図書館では、開館から今日までの貴重な写真を展示しています。
昭和42年、レコードコンサートの様子、という写真に、わたしは惹かれました。閲覧室の机の中央に、球体のステレオがひとつ置かれ、それを囲むようにして数人座っています。みな、目を閉じてうつむくように、音楽に聴き入っているようすが写っています。
いいですね・・・。ひとつの音に、みんなが耳を澄ますのって。そこに行かなければ聴けない音、というのが、今よりずっとたくさんあった時代。音を聴くために立ち止まる、そこに居る、という時間の使い方。
利用者のみなさまに、京橋図書館特製のしおりと、記念冊子のプレゼントをしています。
わたしは、フクロウの絵のそのかわいいしおりを、机に飾っています。
京橋図書館、ありがとう…。
♪このたびのブログ執筆にあたり、中央区立京橋図書館の館内撮影、ならびにブログへの掲載許可を頂戴いたしました。お力添えをいただきました職員のみなさまに、心より感謝申し上げます。
湊っ子ちゃんのブログのなかで、京橋図書館を書いたもの
「連載小説kimagure湊だより 第2話江戸っ子はそれくらいじゃ橋を曲げない!」(2021年3月19日公開)
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=2152
「中央区の本」(2019年1月22日公開)
「中央区立京橋図書館のサンクンガーデン」(2019年1月18日公開)
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/archive/author/201807/
中央区立京橋図書館
東京都中央区築地1-1-1
本の森ちゅうおうオープン予定地
東京都中央区新富1-13-14
中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん
第164号 令和4年8月27日