中央区の明治6年から150年の歴史のある小学校と幼稚園の
公教育は時代を牽引していた!
教育の中央区といわれていますが、まさに明治6年学制が発令された時に23区で三番目に面積が小さい区に何と4校それも1学区1番校ー阪本小学校・2番校ー久松小学校・4番校ー久松小学校・6番校ー有馬小学校が開校されたことにも現れています。それらの小学校が今年度2022令和4年度で150周年を迎えます。
それから次々各学校が開校されていきます。
中央区には明治22年から、いち早く小学校の中に、幼稚園を順次開設していきます。明治時代から、園児と小学生が同じ学び舎で学ぶ『学びの連続性の大切さ』を取り入れていたことは素晴らしいことです。幼児教育から小学校への学びの連続性を現代も重要視されていることを130年以上以前から実践していました。1園を除く12園が小学校に併設されています。
明治から昭和までは小学校長が園長を併任。平成に入ってから独立園長が置かれるようになりました。現在では、9名の独立園長と小学生校長園長併任4名1園を除く小学校に12園が併設されています。
それまで私立幼稚園が1園もなかったということは、いかに明治の時代から中央区が先駆けて幼児教育に力を入れていたということの証しで、全国的に見ても類をみない自治体でした。
幼児教育が日本で定着したのは、戦後学制が六三三制に変わった際、幼児教育が学校基本法の中に位置付けられ、公設では設立が間に合わないので、全国的に私立幼稚園が増設されました。
このような教育史の発展は中央区の歴史的な土壌が常に先進的に子供たちへの教育に取り組んできた地域力の凄さと驚嘆しました。
令和に入ってからの中央区の学校・幼稚園教育への取り組み
文部科学省では2021令和3年小学校の学級定員数が1年生は40名から35名に変更されています。少人数での教育効果が認められたからです。順次2年生から6年生迄35名学級になっていきます。
また、幼児教育が2019令和元年10月より3歳から無償化になりました。
中央区教育広報紙『かがやき』No.173をご覧ください。
特集「学びの芽生え」を育てる幼稚園教育
上記のアドレスからご覧ください。
中央区公立幼稚園案内(動画・リーフレット)もかがやき画面からQRコードを読み取ってご覧ください。
遊びの中の学びを幼稚園教育でたいせつにしたいこと!
◎好きな遊びの中での学びを、だだ遊んでいるだけととらえるか
遊びの中で援助
〇好きな遊びの環境と時間帯を設定する。
子ども達が、朝から今日は幼稚園の数ある遊びの中から「〇〇遊びをしたい」と思えるような朝一番にワクワク心が躍る環境の設定と時間を保障ができるかが大事なポイントになります。
小学校は1時限45分間授業ですが、幼児には好きな遊びに90分は必要とされています。本当に興味がある遊びに没頭している子どもたちを観察していますと120分は軽く持続時間を超えていることがあることに驚かされます。
遊びの中で育つもの
〇自分で好きな遊び時間にいろいろな遊びに自ら興味をもってやってみたいという気持ちをもつことができる。目的をもって、友達と力を合わせてやり遂げる力とともに達成しようとする粘り強さをもつことができる。
これらを『非認知能力』と言います。このことが幼児期に身に付くと、将来大人になっても自己肯定感をもつことができると言われています。
〇今までの幼児教育は『認知能力』が重視されてきました。いわゆる知識的な理解力です。これらも大切ですが、『非認知の能力』はそれ以上に幼児期に学んでほしいことの一つです。自分を好きだと思える自己愛や他者愛を大切と思う気持ちをもつことができると、自分や周りの人たちの人生を豊かにするキーパーソンともなれるのです。
3歳児『友達と絵本見るのって楽しいな!』
4歳児『さかな釣り、針にさかなをひっかける真剣な表情の子どもたち!』
5歳児『巧技台でみんなで考えたイメージを協力して運動できるコースを作ろう!』
5歳児『DIYって楽しいんだね。何作ろう!』
恵まれている併設小学校施設が開いている時間に広々と遊べる屋外環境
小学校校庭での5歳児『リレーとバルーンで思いっきり体を動かそう!』
ロケーション最高の小学校屋上での5歳児『リレーを全速で走って勝つぞ!』
真剣に幼児教育に取り組んでいる中央区を応援します!
4歳児『水を入れての思いおもいの砂場遊びに夢中!』
『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』(河出文庫)ロバート・フルガムのロングセラーは世界中の子育て中の親・教育者・大人たちに大ブーム引き起こしました。
幼稚園に砂場がありますか?砂場があっても、砂場で十分遊ぶ時間をとってくれていますか?
勿論、中央区の区立幼稚園は砂場もありますし、砂場遊びをする環境や時間も確保されています。
砂遊びは自由な発想で遊びを発展させやすく、成長や学びの要素がたくさん盛り込まれています。砂は形が簡単に変容できます。砂で遊ぶことによって、どうするといいかを自分自身で考え、発見したことを試したり失敗したりする。失敗しても、砂は何度でもやり直せます。作っては壊しを繰り返す試行錯誤の連続です。
ワクワク感をもって興味があることに思い切り取り組み、1回でもそれが成功につながれば、楽しい体験は成功感・成就感をにつながります。楽しかったという体験をさらに積み重ねることが大切です。
このことは、砂場だけで遊ぶとよいということではなく、幼児期の学びへの本質を表したものです。
幼稚園は小学校教育の準備期間ではないのです。生きる力を学ぶことの初めのステップを踏み、自己肯定感を身に付けることを学ぶ場所です。それには人に言われたことをやれる力よりも、自分から課題を見つけ、解決できる時間を保証し、待つことができる環境が必要です。
幼稚園は集団生活の出発点です。これらのことを友達と共有し、共感することで遊びを高め合って刺激をし合うことでより遊びが楽しくなるのです。友達と遊びに関わることで、より良く高め合える存在としての友達関係をはぐくみ合えるような場・時間・環境を整えることが幼稚園教育に求められています。
中央区では幼稚園3年・小学校6年合わせて9年間も同じ施設で教育を受けられることは素晴らしことです。
中央区の子供たちは大変恵まれていると思います。
さすが、教育の中央区として
自慢できることですね。
(中央区立月島第一幼稚園幼稚園長 嶺村 法子先生に写真のご提供、記事掲載の承諾をいただいております)