発見!隅田川に浮かぶ「うごく城」?
(キッズ向け)
ぼくの名前は阪本 賢樹(さかもと けんき)。中央区出身。中央区立紅葉川小学校(※架空の小学校)5年1組の学級委員。建設機械や鉄道、そして歴史や動物が大好きな小学生。土木(どぼく)博士と一緒に中央区をてくてく歩くのが好きなんだ。
わしの名前は土木 学(どぼく まなぶ)。中央区在住、現在73歳。以前は大学の土木工学科で学生に土木の楽しさを教えていんじゃが、65歳で退職。最近は地域の子供たちに町の歴史を教えているんじゃ。パンデミック前はボランティアで「街歩きガイド」もやってたんじゃよ。
ねえねえ、土木博士。築地大橋の近くに、海上要塞(かいじょうようさい)みたいな「うごく城」を見つけたよ。
そうじゃのぉ。これは、神戸の寄神建設さんのコンクリートミキサー船「第17神昭」じゃよ。製造したのは川崎重工業株式会社じゃな。
博士、コンクリートミキサー船ってなに?
簡単に言えば、防波堤(ぼうはてい)や岸壁(がんぺき)などの海上で作業をする時に、現場でコンクリートを製造できる作業船じゃ。
へぇ、まさしく「うごく城」だね。
勝どきポンプ所をつくっているよ
ところで、博士。この船は何をしているの?
この船は「勝どきポンプ所」で使うコンクリートを作っているんじゃ。
ポンプ所ってなあに?
雨が降るじゃろ。都会の雨はどこに流れていくか知ってるかな?
下水道だよね。
そうじゃ。道路などに降った雨水は、下水道を通るんじゃが、下水が自然に流れるように傾きがつけられているんじゃよ。ポンプ所では下水をポンプでくみ上げて河川に放流するんじゃよ。
ふ~ん。ちょっと難しいけど、なんとなくわかったよ。
東京の地下に巨大な水の地下トンネル「第二溜池幹線」
賢樹くん、このポンプ所は「第二溜池幹線(だいに ためいけ かんせん)」の終点なんじゃ。
第二溜池幹線ってなあに?
千代田区紀尾井町(きおいちょう)にある清水谷公園(しみずだにこうえん)から中央区勝どき5丁目を結ぶ全長4.5kmの地下トンネルのことじゃよ。ここ勝どき5丁目の地下に第二溜池幹線の終点があるんじゃ。
ふ~ん。じゃあ、ここにポンプ所をつくって、流れてきた水をグイグイ汲み上げるんだね。すごいなぁ。
そうなじゃ。賢樹くんは賢いのぉ。これが完成すると、赤坂、銀座、築地周辺の「浸水被害対策(しんすいひがいたいさく)」に貢献(こうけん)するんじゃよ。
ふ~ん。すごい社会貢献(しゃかいこうけん)だねぇ。
さらに今は大雨が降ると、生活排水の混ざった水が「皇居のお堀」や「築地川」に流れ込んで、水が汚れることが社会問題になっているんじゃが、それが解決すると言われとる。
ふ~ん。すごいね!ところで、勝どきポンプ所はいつ頃完成するの?
工事の看板には、2023年11月14日までと書いてあるのぉ。
早く完成して、「皇居のお堀」や「築地川」がもっとキレイになるとうれしいね。
隅田川に浮かぶ「うごく城」へのアクセス
- 大江戸線勝どき駅から築地大橋を目指して徒歩10分
- 大江戸線築地市場駅から築地大橋を渡り徒歩15分
こんにちは。特派員のたけちゃんです。久しぶりに「キッズ編」を書いてみました。「隅田川にうかぶ城」は、いつまで停泊しているのかわかりませんが、そばにいくと「ガタン、ゴトン」と本当に「うごく城」のような音が聞こえますよ。