東京ダンボ

ちかてつ! ?ふしぎ展
〜銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議〜

2022年12月30日は、日本初の地下鉄である上野~浅草間が1927年(昭和2年)12月30日に開通してから、ちょうど95年という節目を迎えました。

東西線葛西駅にある地下鉄博物館では2022年12月6日〜2023年3月12日の期間で特別展を開催しています。

数ある地下鉄路線の中でも、最も歴史の長い銀座線に焦点をあて、その謎・不思議を紹介します。95年にわたる銀座線のルーツをたどり、東京地下鉄道株式会社や東京高速鉄道株式会社から現在までの歴史が見えてきます。そこには、どのような謎や不思議が待っているのでしょうか。銀座線にまつわる様々な"ふしぎ"を、展示パネルや関連する実物資料展示等が見ることができます。

なお、中央区を走る銀座線は神田〜京橋間が1932年開通で90周年、京橋〜新橋間が1934年開通で88周年となっています。

地下鉄の父 早川徳次(はやかわ のりつぐ)

地下鉄の父 早川徳次(はやかわ のりつぐ) ちかてつ! ?ふしぎ展
〜銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議〜

開業時は、「東京地下鉄道株式会社」が建設にあたりました。
その開業に最も貢献したのが、のちに「地下鉄の父」と言われる早川徳次(のりつぐ)でした。
東京地下鉄道株式会社は、その後も路線を順次延ばし、
1934(昭和9)年に銀座~新橋間が開業したことにより、浅草~新橋間8.0kmを完成させます。

こちらの写真は地下鉄博物館にある銅像ですが、東京メトロ銀座駅の地下道にあるものと同じで、作者は朝倉文夫です。

朝倉文夫は常盤橋公園の渋沢栄一像や早稲田大学の大隈重信像を製作した東洋のロダンとも称される彫刻(彫塑)家で、実兄は日本橋の麒麟像・獅子像を製作した渡辺長男、中央区役所前に置かれているニコラ像を製作した朝倉響子は次女という彫刻一家です。

また、同姓同名にはシャープ株式会社の創業者で日本橋久松町出身の早川徳次(はやかわ とくじ)がいて、地下鉄の早川徳次が12歳年長となりますが同じ巳年生まれです。

浅草〜新橋 VS 渋谷〜新橋

浅草〜新橋 VS 渋谷〜新橋 ちかてつ! ?ふしぎ展
〜銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議〜

浅草〜新橋間は早川徳次率いる東京地下鉄道株式会社が建設しましたが、渋谷〜新橋間は現在の東急電鉄を起こした五島慶太が実質的な経営の指揮を採った東京高速鉄道株式会社が建設しました。

早川徳次は品川方面への延伸を計画していたようですが、紆余曲折があり新橋で両線が接続することになりました。

戦争の影響もあり1942年に特殊法人の帝都高速度交通営団が誕生し運営を行なうようになりましたが、1953年に丸ノ内線ができるまでは地下鉄は1路線しかなかったため、銀座線という路線名称はなかったそうです。なんだか”のどか”ですね。

地下鉄博物館特別展 「ちかてつ! ?ふしぎ展」

地下鉄博物館特別展 「ちかてつ! ?ふしぎ展」 ちかてつ! ?ふしぎ展
〜銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議〜

特別展では以下の4つの分野に分けてパネル展示により説明が掲示されていますが、残念ながら写真撮影禁止となっていて、唯一当時の運転器具や車両灯具の実物展示が撮影可となってたので、そちらを挙げさせていただきました。
 
・どうして地下鉄ができたのか?
・どうやって地下にトンネルや駅をつくっていったのか?
・地下を走る電車はどんな車両?
・地下鉄が安全に運行できるのはなぜ?

 

 

 ちかてつ! ?ふしぎ展
〜銀座線・地下鉄の原点からたどる謎・不思議〜

こちらは重要文化財になっている1000型車両の実物展示です。

今回の特別展示に合わせて、この1000型車両が走っていた頃に地上を走っていた都電の写真展示も行われていました。日本橋・京橋・銀座と都電が颯爽と走る姿と、昔懐かしい地域のビルがくっきりと映っています。撮影されたのは鉄道写真家の諸河久氏です。

今回の特別展示だけでなく、計画・建設・運行・管理と地下鉄に係る幅広い展示が行われている地下鉄博物館に是非足をお運びください。

地下鉄博物館