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2023 咲き分け花梅「思いの儘」

 2023 咲き分け花梅「思いの儘」

 浜離宮恩賜庭園では、現在、約3,000㎡のお花畑に、約30万株の "菜の花"「黒川」「伏見」が織りなす黄色い絨毯が、青空の下、やわらかな陽光に輝き、春の風情を醸し出しています。      春を象徴する花の一つである梅も、先月来、大手門出入口近辺の「白滝枝垂」「藤牡丹枝垂」「満月枝垂」、お花畑から旧稲生神社周辺の「八重寒紅」「八重野梅」「甲州最小」、花木園の「冬至」「紅千鳥」などの早咲き種が目を楽しませてくれましたが、園内約130本の内、約80本を数える梅林の梅が漸う見頃を迎えました。 11代将軍家斉が好んだとされ、花冠が大振りで、見る者を驚かせるということから命名されたとされる「見驚(けんきょう)」、枝や萼が黄緑色で清楚な印象の「緑萼(りょくがく)」、1本の木に紅色・薄桃色・白色・斑・絞りとさまざまな色合いの花を咲かせる「思いの儘」等が楽しめます。                                   「思いの儘」は古典的な和風の名前が多い中で珍しい命名ですが、野梅系の八重咲きの中輪の代わり種で、大体は同じ色がひと纏まりになって咲くことが多いようですが、違う色が隣同士咲くこともあり、年により不定で、毎年様相を異にするとされ、自然の神秘性を秘めたユニークな花姿です。