2023 お帰りなさい "銀座のツバメ"
今年も "銀座のツバメ" が姿を見せてくれました。 越冬地とされる東南アジアの地から飛来し、銀座の営巣場所のひとつ、松屋東館の庇で営巣中です。 抱卵して約2週間で孵化し、更に約3週間、親ツバメはせっせと餌を運びますが、餌は空中を飛んでいる多数の昆虫(羽アリ·ミツバチ等)で、雛への給餌は雌雄分担して行うとされます。 1980年代には8個所観察された銀座の営巣場所は、ビル建替えの際、金属や硝子の新建材に切替わり、ざらついたコンクリート壁面·梁、蛍光灯のような足場、深い庇などが喪失し、2010年代は2~3個所で推移後、2019年には6個所と復調の兆しがあると聞きます。 紙パルプ会館屋上(銀座3)にて2006年立ち上げの「銀座ミツバチプロジェクト(銀ぱち)」が大きなプラス要因とされ、現にツバメがミツバチを捕らえる瞬間を超高速カメラで撮影された映像もあるようです。 銀座で健気にツバメが命を繋いでいるのは、数百mとされる繁殖期の採餌行動圏内に、虫の供給源となる街路樹、壁面·屋上緑化等、多少なりとも緑地資源の下地に加え、日本を代表する商業地である銀座では、人通りの多い所に営巣する「商売繁盛」の象徴として大切にされ、営巣環境保全の気遣いなど、暖かく見守ってきた、地域住民の優しい眼差しという社会環境も見逃せないと考えられているようです。厳しい生存環境下にあって親鳥が見せる献身的な育雛(イクスウ)行動は感動的ですが、そのスマートで俊敏な飛翔の勇姿は人々を魅了します。