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2023 旧習の海中渡御を継承する神事「船渡御」

 2023 旧習の海中渡御を継承する神事「船渡御」

 新型コロナウイルス感染症の影響で、2021、2022年と2年連続して延期措置がとられ、5年ぶりとなった佃住吉神社の3年に一度の "本祭り" が、8月4日~7日開催中です。            住吉神社の宮神輿は、天保9(1838)年、芝大門の万屋利兵衛により制作された、天皇陛下の御座である高御座(タカミクラ)を擬したとされる、通称 "八角神輿"。                      例祭では、神輿を担ぎながら隅田川に入水し、次いで伝馬船に安置し氏子地域を巡幸するという、海中渡御、船渡御が挙行されたと記され、神輿の内部も漆塗りで気密性を高めていたとされます。  しかし、防潮堤の建設や河川の汚染等の理由から、昭和37年の例祭を最後に一旦途絶し、その後、隅田川の河川敷が整備され、船の発着が可能になったこともあり、地元民の運動が功を奏し、平成2年、28年ぶりに船渡御復活に漕ぎ着けます。                            再開発された大川端リバーシティ21 佃公園のテラスから宮神輿を御座船(浮き桟橋)に安置し、佃·月島·勝どき·豊海·晴海の氏子地域を巡ります。                           社名旗や五色の旗が翻り、供船を従え、曳船に曳航された御座船が巡航する様子は、神社と地域が歩んだ歴史を顧み、先人の遺徳に想いが至り、感慨一入です。                         現在は、老朽化に伴ない平成23(2011)年新調された、八丁堀 秋山三五郎商店制作の神輿が巡幸。   東京湾晴海沖では、江戸湊の入口に位置し、海運業·各問屋組合等多くの人々から海上/渡航安全の守護神として信仰を集めてきた住吉神社ならではの祭祀「海上祭」が執り行われ、宮司が奏上する祝詞は、主に海事関係者の安全・隆盛(豊漁)を祈念する内容と聞きます。