東京ダンボ

UNPEL GALLERY
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

高島屋と丸善がある日本橋二丁目交差点からさくら通りを八重洲方面に向かうと、あいおいニッセイ同和損保が運営する「UNPEL GALLERY」があり、9月24日までの会期で「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展が開かれています。

案内資料には以下のような説明がありました。

「今回展示される災害資料は、あいおいニッセイ同和損害保険の前身の一つ同和火災海上保険の初代社長 廣瀬鉞太郎が自ら経験した関東大震災をきっかけに収集を始めたものです。 本展はその中から江戸時代後期に江戸市中を中心に現在の埼玉、神奈川、千葉に被害を及ぼした安政 2(1855) 年江戸地震と、それから 68 年後の大正 12(1923)年に近代化した同地域を襲った関東大地震(関東大震災) に関する刊行物、写真はがきなどの貴重な資料を展示します。 現代においても、その被害の大きさと多重性、社会的インパクトが恐れられる大地震について、この機会に皆さんと一 緒に考える機会となれば幸いです」

関東大震災

関東大震災 UNPEL GALLERY 
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

石版画で印刷された多色刷りの資料が複数展示されています。

現在放送中の朝ドラ「らんまん」でも主人公の槙野万太郎が石版画で精密な植物画を描く場面が出てきていますね。細かい描写ができることからこの技法が使われたのでしょう。時代を表しています。

この絵は浅草寺で、台東区のほとんどの地区は焼けてしまったそうですが、浅草寺を守ろうと多くの人たちが協力し、延焼を逃れたとのことです。本堂の上には観音様が守ってくださっている姿も描かれています。

安政2年江戸地震

安政2年江戸地震 UNPEL GALLERY 
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

安政2年(1855年)に江戸を襲った大地震の絵も多く展示されています。この絵は8K画像として展示されているもので、ゲーム機で使うコントローラーでズームアップすることにより肉眼で見るよりもより細かいところが見ることができます。

 UNPEL GALLERY 
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

屋根から瓦が落ちてきて人々にあたる様子がよく描かれています。

コントローラの使用感もわかりやすく、少し使っていると簡単に好きな展示品に移動でき、好みの大きさや角度で作品を鑑賞できます。文字や色の違い等も肉眼で見るよりもわかりやすく、書かれている文章もくずし字が読めれば容易に読むことができると思います。

今回使用されている8K大型モニターは、国立科学博物館で開催予定の「関東大震災100年企画展」(会期:10月11日〜11月26日)でも展示されるとのことです。

 UNPEL GALLERY 
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

これらの資料は京都府京都文化博物館へ寄託され、学芸員の方々に加え、東京大学地震研究所はじめ多くの専門家の方々により資料の全貌とそれぞれの資料の内容が解明されていくそうです。

今年は大正12年9月1日の関東大震災発生から100年。これらの貴重な資料が残されていることに感謝し、この記録を経験として活かしていかなければならないと思います。展示会場には外国の方も訪れ、興味深く日本の災害の歴史を留める資料をご覧になっていました。

災害の記憶デジタルミュージアム

災害の記憶デジタルミュージアム UNPEL GALLERY 
「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

あいおいニッセイ同和損保は、新たな防災・減災取り組みの一環として、2023 年 6 月に「災害の記憶デジタルミュージアム」をホームページ上に開設しています。
「災害の記憶デジタルミュージアム」では、NHK 財団が持つ最先端のデジタル技術を駆使して、所蔵する1,460 点にも上る災害図コレクションをデジタル空間上に展示することで、「災害の記憶」に接する機会を広げ、防災・減災の意識向上につなげています。

この画面はパソコン上で「災害の記憶デジタルミュージアム」にアクセスした際のスタート画面で、マウスを使って簡単に操作ができ展示会場同様に詳細に作品を鑑賞可能となっています。現在は「水害と向き合う」が閲覧可能となっています。

UNPEL GALLERY

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「―関東大震災100年―資料でたどる災害今昔」 展

「あいおいニッセイ同和損保は、2020年創業10周年を迎えるにあたり、この伝統を未来に繋げ発展させるため、ギャラリーを開設。

若い作家の質の高い表現・発表の場として、鑑賞者の身近で親しみの持てる場を提供してまいります。

椿は、その強い生命力から、「安寧と繁栄を象徴する吉祥の花」として古くから我が国の人々に愛されてきました。

ギャラリーの名称は、椿の花言葉“気取らない優美さ”UNPRETENTIOUS ELEGANCE(アンプリテンシャス エレガンス)を語源としています。」

UNPEL GALLERY

※会場では防災デジタルミュージアム ディレクターの横井様にご案内いただきました。ありがとうございました。