【中央区の味】 銀座で一番おいしいビスケットを――「ギンビス」のおやつ
いろいろな動物の形をしたバター風味のビスケット。ひとつひとつにその動物の名前が英語で書かれています。
このビスケットは「たべっ子どうぶつ」。誰もが知っているおやつのひとつですね。
「たべっ子どうぶつ」を販売する株式会社ギンビス(以下、ギンビス)は中央区日本橋浜町に本社を置く製菓会社です。新大橋通りに建つビスケット色の本社ビルを目にするたびに、私はいつも「たべっ子どうぶつ」のことを思い浮かべています。
かわいいキャラクターが大人気
「たべっ子どうぶつ」は昭和53年(1978)に発売されました。45周年を迎えた昨年は、期間限定の屋内イベント『たべっ子どうぶつLAND』を開催し、累計来場者数が16万人を突破するという大盛況のうちに終幕したことが話題になりました。
人気の秘密はなんといってもかわいい動物のイラストです。パッケージのデザインは発売当初からほとんど変わっていません。近年はぬいぐるみなどのキャラクターグッズも商品化されていて、親子三代に渡って「たべっ子どうぶつ」のファンというファミリーもいます。
こちらは最近のお気に入りです。こうした小さなパッケージにも必ずおなじみの動物たちが描かれています。「しみチョココーン」で培った含浸製法の「たべっ子水族館」や「いちごのたべっ子どうぶつ」など、シリーズの仲間もぐっと増えました。
2022年にはファストファッションブランドのGU(ジーユー)から、ビスケット柄のウェアが発売されました。あっという間に完売となり、残念ながら私は購入することができなかったのですが、「こんなにたくさんのファンがいるんだ」と実感すると、不思議とうれしい気持ちになったのでした。
ほかにもマクドナルドのハッピーセットのおもちゃに登場したり、東映アニメーションの『ONE PIECE』グッズが「たべっ子どうぶつ」テイストになったり、“遊べる本屋”ヴィレッジヴァンガードでポップアップイベントが開催されたりと、人気者どうしのコラボレーション企画が目白押し。この快進撃は「令和のたべっ子どうぶつブーム」と呼ばれています。
おいしくてためになる
「たべっ子どうぶつ」はかわいいだけではありません。そもそもとてもおいしいビスケットなのです。サクサクとした軽い食感と、バターの風味にちょっとしょっぱいところがほどよくて、ついつい手が伸び後を引きます。
♪英語だってわかるんだ
※写真は「全粒粉入りたべっ子どうぶつ」です。
そして忘れてはならないのが「たべっ子どうぶつ」は知育菓子の先駆けであるという点です。小さなお子さんはこのビスケットを食べながら、動物の形と名前、英語まで学ぶことができます。実際に私も「たべっ子どうぶつ」で覚えた単語がいくつかあります。また、こどもの頃は「にわとり」は「にわとり」としか思っていなかったので、雄鶏(rooster)と雌鶏(hen)を区別して呼ぶことも「たべっ子どうぶつ」に教えてもらいました。
ギンビスの“ギン”は銀座の“ギン”
ギンビスを代表するお菓子にはほかに「アスパラガスビスケット」があります。黒ごまが香ばしいスティックタイプのビスケットで、「たべっ子どうぶつ」の先輩にあたる昭和43年(1968)発売のロングセラーです。
その「アスパラガスビスケット」とよく似た「銀座ベーカリー」(銀座一丁目)の焼き菓子「Gスティック」との関係については、こちらの記事に詳しいです。Hanes氏による「アスパラガスビスケット」と「Gスティック」の比較レポートにもご注目ください。
ギンビスは昭和5年(1930)に墨田区錦糸町で「宮本製菓」として創業、のちに名称を「銀座ベーカリー」と改め、銀座に営業所とレストランをオープンしました。「銀座で一番おいしいビスケットを作ろう!」との思いでお菓子づくりに邁進し、社名を現在の「ギンビス」に改称したのは昭和49年(1974)のことでした。ギンビスの“ギン”は銀座の“ギン”だったのです。
お菓子に夢を! 世界のギンビス
ギンビスの商品は全国の小売店で販売されています。「たべっ子どうぶつ」は世界25以上の国と地域で展開。中華文化圏では漢字で「愉快動物餅」と書くそうです。みなさんも日本全国、世界のどこかで中央区の味をお楽しみください。
株式会社ギンビス|GINBIS CO., LTD.
https://www.ginbis.co.jp/index.html
公式Xアカウント
https://twitter.com/GINBIS_PR
「たべっ子どうぶつ」の商品情報はこちら
https://www.ginbis.co.jp/product/tabekko.html