2024 爽やかな春空の下 一際異彩を放つ百花の王
眩しさを覚える陽光に新緑が目にしみ、さまざまな花が咲き誇り、自然界の色も一気に明るさを増す中、一際華やかな存在感を示すのが「ボタン(牡丹)」です。 ボタンはボタン科ボタン属の落葉小低木。 中国原産で、一説では奈良時代に薬草として渡来したとされ、その後観賞用として栽培され、詩歌、文学、絵画の題材となり、衣装の文様や、焼き物、彫刻など伝統工芸品のモチーフにされることも多く、人々を魅了してきました。 幾重にも重なる絹のような光沢のある膜質の美しい大輪で、見た目の華やかさが最大の特徴です。 「百花の王」「花王」と称され、「富貴」「風格」という花言葉に恥じない、庭木の女王に相応しい佇まいを見せます。 通常、七十二候「牡丹華(ボタンハナサク)」(4月30日~)の前後に花を付けますが、今年は早くも、浜離宮恩賜庭園 ボタン園内の約60種800株と聞く花々が次々と開花中です。 よく知られた花色は赤、薄紅、白ですが、紫や黄など様々な色味の品種が作出され、花形も一重咲き、八重咲き、千重咲き、万重咲き、平咲き、抱え咲き、獅子咲きと多彩です。 覆輪、底赤、絞りといった花柄もあります。 咲き始め~咲き終わりまで20日程で「二十日草」とも呼ばれます。