太閤記の光と影「裏表太閤記」-43年ぶり上演「七月大歌舞伎」
暑い!東京都心35.1度!1日から歌舞伎座7月の舞台が始まっています。昼の部は團十郎さんが「義経千本桜」の主要な13役を早替わりで演じるのが話題の「星合世十三團」、夜の部は「太閤記から秀吉の活躍が光る『表』の物語とその輝かしい光の影にある秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇的な『裏』の物語を虚実混交、巧みに織り交ぜた『裏表太閤記』」(歌舞伎座パンフより)と昼夜通し狂言で話題の演目です。今日はまず夜の部へ。満席の客席です。この暑さの中、お着物の方が結構いらっしゃるのは流石歌舞伎座です。
「裏表太閤記」は昭和56年(1981)当時の三代目猿之助が太閤記先行作品をつなぎ合わせて昼夜一日がかりの通し狂言とし、明治座で初演されました。今回は改訂を加えたあらたな脚本で、43年ぶりの上演となります。
明智光秀の実の親という設定の松永弾正に中車、信長に彦三郎、そして秀吉と高松城主の軍師・鈴木喜多頭に幸四郎、明智光秀に松也、喜多頭の息子・孫市に染五郎、信長の嫡男・信忠に巳之助、光秀妹で跡継ぎの三法師を生んだお通に右近という配役。さらには京への帰還を急ぐ秀吉の船が暴風雨に遭う場面では大綿津見神には白鸚が登場。染五郎・幸四郎と三代揃っての舞台となります。「大津坂本大滝の場」は光秀・秀吉・孫市の本水を使っての死闘。2列目までの客席にはビニールが配付されています。
戦闘場面は客席まで巻き込み、客席通路は勿論、2階席と3階席でセリフの応酬まであり、客席全体が舞台の一部と化して大盛り上がり。天界で暴れる孫悟空も登場、追放されて下界までは宙乗りで。
昼の部は團十郎の十三役早替わり、宙乗りまであり、こちらも楽しみです。暑さをひととき忘れさせてくれる舞台です。
七月大歌舞伎は24日千穐楽。(10,16日は休演)
昼の部 11時開演「星合世十三團」(ほしあわせじゅうさんだん)
夜の部 16時30分開演「裏表太閤記」
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489、チケットWEB松竹へ。