2025 鷹狩り文化の伝承 新春 "諏訪流放鷹術の実演"
1月3日、浜離宮恩賜庭園 内堀広場にて、「浜離宮で華やかなお正月」催事の一つとして、江戸時代の将軍家お抱え鷹匠の流れを汲む「諏訪流放鷹術の実演」が行われました。 訓練した鷹を放って野鳥や小動物を捕えさせる猟法を「鷹狩り(放鷹)」と言い、担い手の鷹匠の技と心が「放鷹術」と称されます。 この地は江戸時代初期、葦の群生広がる将軍家御鷹場だった歴史を有し、後年将軍家別邸「浜御殿」となり、明治維新後は宮内省鴨場として鷹匠が園内に常住し、戦後は都立公園として開放され、一般公開されている唯一の新銭座·庚申堂の二つの鴨場が現存します。 歴代の将軍が嗜み、庭園が築いてきた伝統文化を継承するため、正月の開園行事として技の一部が披露されます。 初夢に見ると縁起が良いとされる「一富士二鷹三茄子」ですが、食物連鎖の頂点に君臨する鷹は威厳の象徴であり、験が良く、目の前で繰り広げられる「放鷹術」の見物は正月に相応しい催事です。 先ずは、鷹を拳に乗せ(据え)て観客の前をぐるぐると歩き、環境に馴らす「据え回し」後、整列し、諏訪流第十八代宗家大塚紀子氏の挨拶、演者紹介と続き、実演へと移ります。 鷹匠の拳から別の鷹匠の拳へ飛び移らせる「振替」が実演された後、見物人の中から希望者を募ってのモモアカノスリ(ハリスフォーク)の「振替」体験コーナーの後、獲物(疑似餌)を狙って浜離宮三井ビル屋上から高速で舞い降りる「モモアカノスリの急降下」、そしてフィナーレは、バードランチャー(放鳥器)から空中に放った鳩を捕獲させる「飛び流し」が披露されました。 尚鷹匠は、鳥打帽、袢取(バンドリ)、野袢天(ノバンテン)、角帯、股引、脚絆、地下足袋の伝統的装束着用ですが、門下生は半纏姿です。