サム

2025 "躑躅燃ゆる" 大名庭園

 2025

 瑞々しい若葉が眩しい季節の主役のひとつ、区の花にも選ばれているツツジが公園や街路の植え込みを鮮やかに彩っています。   浜離宮恩賜庭園内でも随所に植栽されているツツジですが、潮入の池の畔、御亭山(オチンヤマ)に植栽された特徴的な "丸刈り樹形" の鮮紅色のツツジが一際目を引きます。                 ツツジ(躑躅)はツツジ科ツツジ属の常緑/半常緑/落葉性の植物の総称で、日本の山野に自生し、低木~小高木、野生種は約50種を数え、多くの園芸種が作出されています。              「躑躅」の漢字が当てられますが、「羊この葉食せば躑躅(テキチョク)して斃(タオ)る」故事由来とされます。               古来、和歌·俳句に詠まれ、育種も進み、親しまれてきた植物です。主な園芸品種には、キリシマツツジ(クルメツツジを含む)、リュウキュウツツジ、ヒラドツツジ、オオムラサキなどがあります。一般にアザレアの名で呼ばれる西洋ツツジにも多くの品種があります。                                  ツツジの語源としては、①花が次々と咲く様子から「ツヅキサキギ(続咲木)」、②花が筒の様に咲く様子から「ツツサキ(筒咲)」、③ツヅリシゲル(綴茂)、④蕾が女性の乳頭に似る様子から「タルルチチ(垂乳)」、⑤粘りがあり、手にツキツキ(付付)てじっとつく様子から、⑥チョウセンヤマツツジを指す朝鮮語由来と諸説あるようです。                                  虫媒花のツツジ属の花弁には、蜜の在り処を示す斑点状の蜜標(ネクターガイド)が見られ、雄しべと雌しべの先端は蜜標の向きに曲がっています。